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「こどもの矯正とランパセラピー」の重要用語
中顔面・劣成長・舌骨・上前方とは?
矯正治療成功の鍵は歯科クリニックの選択|ランパセラピーと当院の理解のために
こどもと女性の歯科クリニック
「こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピー」は東京都港区麻布十番の歯科医院「こどもと女性の歯科クリニック」が運営しています。
当院では矯正歯科・赤ちゃん歯科を中心に、一般歯科・予防歯科・女性のためのホワイトニング等も行っています。
特に矯正歯科においては顎顔面口腔育成療法、赤ちゃん歯科では乳児期からのお口の発達に取り組んでいます。
「こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピー」のなかでは、既存の矯正歯科では出てこないような単語があります。事前の基礎知識として、ご理解いただきたい大切な言葉と当院の考えをお伝えいたします。必ずしも、ランパセラピーがすべてのお子様の正解ではありません。ただ、「矯正歯科=歯並び=審美」との先入観は、一度しまってください。もし、当サイトでのお伝えが不要でしたら、改めて「審美」を大切にされてください。
顎の骨格の劣成長は、呼吸機能の低下から、脳や身体の酸素不足を招きます。ランパセラピーは他の矯正と何が違うのか?今まで悩んでいた小児矯正に関する疑問。ランパセラピーの中に、その答えが見つけられるかもしれません。
顎顔面口腔育成療法
顎顔面口腔育成療法は、主に「バイオブロックセラピー」と「ランパセラピー」による矯正治療です。
口腔内装置のみによる治療となるバイオブロックセラピーよりも、写真のような口腔外装置と組み合わせるランパセラピーの方がより効率的・効果的です。
当院ではランパセラピーを専門的に行い、バイオブロックセラピーはご希望により例外的に提供しています。これら以外の矯正治療は行っておりません。
中顔面
大まかに目のあたりから前歯のあたりまでの、顔の中心部分を「中顔面/ちゅうがんめん」といいます。
写真は骨格で示しておりますが、実際には鏡で見た際のご自身のお顔をイメージされてください。
本来、中顔面の健全な成長方向は「上前方」です。これは少々端的にいいますと、顔が立体的になる方向となります。
中顔面の下方成長
本来、中顔面は「上顎についた舌」の働きによって、その成長方向は上前方(赤矢印)となるのが健全な成長です。
しかし何らかの理由によって「上顎に舌がつかない(口呼吸)」となると、ガイド役を失った中顔面は、主に重力の影響によって、その成長方向を下方へ向かわせます。
サイト内では、この中顔面と上顎骨が似たような表現になりますが、中顔面を構成するのが上顎骨を中心とする骨の複合体とご理解ください。
上下顎の劣成長
RAMPAでは、歯並びが悪くなる原因のほとんどを「上下顎の劣成長」と結論づけています。サイト内では文脈によって、「中顔面の発達不良」とも記載していますが、読まれる方にとっては、同義と受け取っていただいても大きな差し支えはありません。歯並びが悪くなるのは、顎の骨格の成長が「正しくない」からなんですね。写真は、中顔面の下方成長に連動して下がった下顎の劣成長が、気道を圧迫している結果、気道容積が足りないことを示しています。
上前方
中顔面の正しい成長方向は「上前方」です。口呼吸によって下方へと向かうことになった正しいとはいえない成長の結果が、顎骨の歪みへと繋がります。
これに対して、RAMPAのシステムからその成長方向を上前方へと変化させ、歪みの解消を目指します。
これにより、顎骨の歪みによって狭くなった鼻腔や副鼻腔、気道、顎に対して「拡がる」という効果を見込むことができます。
顎骨
上の歯が生えている骨が「上顎骨」、下の歯が生えている骨が「下顎骨」です。どちらも歯が生えている部分だけではないんですね。上顎骨は鼻にも関わる骨です。
イラストでは、特に中顔面の下方成長による鼻腔への影響や、後述の下顎への影響をイメージしてみてください。
歯並びにだけ「何かが起きる…」って、逆に不自然な気もしてきませんでしょうか。
下顎
ランパセラピーの特質上、当サイトでは上顎骨のお話しがメインとなります。
しかし舌が上顎に付かないことによって、下顎骨にもイラスト右の赤矢印のような影響が現れます。結果、下顎の歯並びにも影響がでてきます。
イラスト右上の赤矢印では、顔が縦に伸びるような影響もイメージできますね。
イラスト左の青矢印は、RAMPAによる治療の改善効果とお考えいただいても大きな支障はありません。
まぁるい顎
舌は本来、上顎のスポットといわれる部分に舌先がつき、上顎の歯の内側のスペースに収まるのが健全な形です。
これが日常からできていますと、顎は写真のようにきれいなアーチ状のまぁるい顎に育ってきやすくなります。
この状態ですと矯正治療の必要は、おそらくありませんね。
鼻腔や気道が狭い
中顔面は本来、上顎についた舌の働きによって、その成長方向は上前方(赤矢印)となります。
口呼吸によって、この舌の働きがなくなると、その成長方向は下方へと向かいます。この正しいとはいえない成長の影響によって、上顎骨に歪みが生じ、鼻腔が狭くなりやすくなります。
一方で口呼吸によって下がった舌は、気道を狭くすることに繋がります。
首周りの筋緊張
口呼吸の原因は様々です。当院では特に赤ちゃんの首周りの筋緊張にフォーカスしてお伝えしています。
写真のような赤ちゃんの姿勢は、赤ちゃんの首周りに大きな負担をかけます。次にこの負担は、首周りの筋緊張から口呼吸へと繋がります。
赤ちゃん期の影響が今?と思われるかもしれませんが、子どもの骨格の約80%が1才までに完成するといわれています。胎児期から始まり、生後1年間の過ごし方がより大切です。
舌骨の位置
舌骨といわれる骨があります。この骨は体の中で唯一、他の骨と接していません。すべて筋肉によってその位置を保っています。
先述の首周りの筋緊張は、肩から舌骨に繋がる筋肉の筋緊張を通じて、舌骨を下方へと引っ張ります。このことは別の筋肉を通じて、下顎と舌を下方へと引っ張ることに繋がります。
口呼吸となる大きな原因の一つです。
歯並びの形成
上顎のイラストです。歯並びを形成する大きなポイントが、イラストにあるような「舌圧」と「頬圧・唇圧」のバランスです。
特に口呼吸は、この中の舌圧が弱くなる状態になりますので、外から内へと向かう力が優位となります。
姿勢の悪さ
先述の首周りの筋緊張は、赤ちゃんでお伝えしましたが、同様のことは、子ども・おとな限らず起こりえます。
姿勢を悪くすることで首や肩の筋肉に本来望ましくない力が働き、舌骨の位置を下げ、口呼吸へと繋がります。
矯正治療以前の予防、矯正治療後の維持にも「姿勢」は重要です。
当院からの大切なお伝えと考え方
矯正治療では、「なぜ抜歯や手術が必要になる場合があるのか?――」
この小さな疑問からRAMPAへの理解は始まります。
矯正治療を、「骨格」から考えるRAMPAでは、子どもの抜歯は「必要不必要の議論」ではなく、「ありえない」ものです。
従来の小児矯正が「永久歯列のスペース不足」に着目するのに対し、RAMPAでは「骨格の劣成長」に着目する点に大きな違いがあります。
子どもの骨格の正しい成長を疎かにし、抜歯を「やむなし」とするほど、審美とは大切なものでしょうか?何かを犠牲にしてはいないでしょうか?骨格の正しい成長とは、歯のためだけの話ではありません。抜歯の選択は、骨格は「もう仕方がない」という判断です。
RAMPAの装置では、上顎を健全な成長方向へと誘導し、「顎の骨格」を整えます。もともと、歯とは自然と並ぶようにできています。
矯正治療を受けた方の、約6割が抜歯を経験しているともいいます。従来の矯正治療に「抜歯の懸念が付いて回る」ということは、それらでは、「骨格の劣成長に対する対処」に限界があることを示しています。
ランパセラピーについて、「エビデンスはあるんですか?」とご質問を受けることがあります。親御様は心配なのでしょう。それはそうです。
一方、SNSなどの発信では、安易に「エビデンス」という言葉が使われている印象を受けます。まず、エビデンスには「レベル」があります。おそらくそれらまで知らずに使っている。だから「安易に」という印象を受けてしまいます。
エビデンスレベル
- メタ分析 :複数の信頼できる論文を統合・分析したもの。
- ランダム化比較試験(RCT):患者をランダムに2群に分け、治療の有無で結果を比較した統計学的な試験。
- コホート研究:特定の集団(例:口呼吸の子)を長期間追跡し、要因と結果の関連を調べる。
- 症例対照研究:すでに結果が出ている人を過去にさかのぼって比較研究する。
- 症例報告:実際の患者さんの治療経過や臨床報告。
- 専門家の意見 :権威のある先生の見解や基礎研究。
多くの人のエビデンスは、おそらく「レベル1」を指しています。
「レベル1」であっても、それは統計学的な平均値であって、「100人のうち100人全てに効果がある」というような「絶対」ではありません。例えば「100人のうち70人には効果がある」という統計です。つまり、残りの30人には「レベル1」は無意味ということになります。
率直に言います。ランパセラピーに「レベル1」のエビデンスまではありません。そうなるべく積み重ねている過程にあります。
全ての革新的な治療は、まず「レベル6」の、ある一人の閃きから始まります。30年ほど前の三谷先生の閃きと努力がそれです。研究に注力したとしても、それが「レベル1」まで昇華するには数十年かかります。
ただ、数十年後の「レベル1」は、「今、呼吸に悩んでいる子ども」にとっては何の救いにもなりません。
三谷先生ご自身も仰っていますが、「私たちは研究者ではなく、臨床家」です。目の前の子どもたちを「どうにかできないか?」が全ての根本にある想いです。「レベル1」になるまで、子どもの成長は待ってはくれません。
私たちは「100人」という統計・平均値を追う議論よりも、目の前の「100通り」の子どもたちのために仕事をしています。
ランパセラピーが、目の前の代わりのきかない一人ひとりの子どもたちの人生の土台になれば、それは何よりの喜びです。
ランパセラピーに画一的な統計データが不足しているのは事実ですが、ランパセラピーを明確に否定できるエビデンスがないのも現実です。その代わり、当院には数百症例を超える「個別化された臨床的エビデンス」があります。既存の矯正治療の常識を乗り越え、生き残ることができる科学的根拠であるようにランパセラピーは歩んでいます。
そして大切なこと。EBM(エビデンスに基づく医療)について。
EBMの提唱者サケット博士は、エビデンスに基づく医療とは、以下の三要素の統合と定義しているそうです。
- 外部エビデンス(研究結果・論文など)
- 医療者の臨床技能(経験・技術・専門性など)
- 患者の意向と価値観
統計や研究は、臨床を助けるものであって、それらは患者さんのためにあると理解しています。
ともすれば「エビデンスは?」との問いかけは、臨床と患者さんを軽視した発言になりかねません。革新的な医療に対し、「レベル1」のエビデンスがないからと否定をするのは、EBMの理念にも反した「エビデンスという言葉の誤用」になってしまいます。
「予防」、もしくは「骨格以前の問題」に対処するのが赤ちゃん歯科。正しくない成長をしてしまった骨格を「取り戻す」のがランパセラピー。目的は同じ。「正しい骨格の成長」です。
ですが、どちらか一方で十分かといえば、そうではありません。これは理屈ではなくて、現実的な問題です。
赤ちゃん歯科でのお伝えを、日常生活において、すべて実践し結果を出せるかというと正直大変です。毎日の仕事、家事、育児‥そこまで精神的・時間的コストを割くのは本当に難しい。
ではランパセラピーに懸けるか?これはこれで大変です。頑張るったって限界があります。なにより「どこまで取り戻せるか?そのためにどれだけの時間とコストが必要か?」は不可避な問題です。
ではどうすれば?優先順位は赤ちゃん歯科です。完璧じゃなくてもいいです。ちょっと頑張ってみてください。
ほとんどの歯科では話さえ出ないような「姿勢の悪さ・口呼吸」の本当のリスクを当サイトではお伝えしています。知ってさえいれば、行動は変わります。少なからず、数年先のお子様の未来は変えられるはずです。矯正治療が必要ないお子様は現実的にいます。
仮に矯正治療が必要になったとしても、その負担は間違いなく軽くなっているはずです。何より「取り戻せるもの」の最大値が違う。ランパセラピーが必要なく、歯列矯正で済むならば、「なおよし」ですね。
あまり大きな声で言えませんが、「赤ちゃん歯科ネットワーク」には、当院を含めRAMPAの先生数名、三谷先生も参画しています。それくらい「赤ちゃん歯科」と「ランパセラピー」は密接なんです。ですが、私自身の子ども、そして三谷先生はお孫さん。やっぱり、何から何まで頑張るのは難しかったと笑い合います。でもです。やっぱりその後の負担は少なくて済んだ。
それが現実的な話だと思います。問題は、後回しにすればするほど厄介になり、不測の事態も起こります。
赤ちゃん歯科を、「最近流行りの0期矯正だな‥」と思われないでください。
「赤ちゃん歯科」とは、石田房枝先生が50年かけて積み上げた歴史です。その歩みを知る者が「0期矯正」なんて言葉は使いませんので頭の片隅に置かれてください。
ことは、赤ちゃんという「人の幸せ」、「社会の未来」に関わること。その責任の重さを考えてほしい。
それらが情報商材の転売であってはなりません。当院にも、そのようなセミナー案内が間を空けずに来ます。矯正治療に関しても同様ですが、正直その無責任さに怖さを感じます。「0期矯正」とは、マーケティング的に作られた言葉で、「歯科」の言葉ではありません。
歯並びが悪い野生動物って見たことがありますか?もちろん、そのような個体が全く存在しないという話ではありません。
ただ、不正咬合という異常が圧倒的に多い動物が「人間」です。
単純比較ができないほど、野生動物と人間の生活環境は異なります。ですが、歯並びが悪くなる原因のほとんどは、生活環境による骨格の成長の問題です。野生動物に歯並びが悪い個体が見当たらない理由の一つに、「野生動物では鼻呼吸が徹底されている」ことがあるそうです。
お子様の歯並びが心配になり、歯科へ伺っても「様子見」と判断されることが本当に多い。それは「歯」を見ているから。だから、経過を見ましょうということなんですね。ただ、顎の成長とは日々の生活習慣の話です。鼻呼吸の習慣がなければ、顎の正しい成長はないんです。
ですが、親御様がお子様の歯並びを心配になったということは、少なからず口呼吸の存在がある。
なので、結局は歯並びが悪くなる。しかし骨格への介入は既存の矯正歯科では大変難しい。だから「抜歯」です。大事なことが置き去りになっています。
あれ?顎の成長という原因は?
お子様の骨格の成長は、現在進行形です。そして、顎の成長には呼吸が関わっています。様子見はリスクでしかありません。
以下は日本矯正歯科学会によるマウスピース型矯正に関する見解から引用しています。当院はランパセラピーの専門医院ですが、マウスピース型矯正については同様の見解を持っています。
インターネット上で、歯科医師が介在しない形でマウスピース型製品が販売され、歯列の改善への有効性を謳うケースが出てきています。矯正歯科治療は、正確な診断や精密な治療計画に立脚して行われるべき医療行為であり、誤ったマウスピース型製品の使用は予期せぬ大きな問題を引き起こす可能性があります。患者自身の独自の判断でこれらの製品を使用し歯の移動を行うことは、歯科医学的にも非常に危険であるため絶対に避けてください。
マウスピース型矯正装置による治療には、以下の利点・欠点を踏まえた適応症の判断や専門的知識を要することから、大学病院等や学会が認める基本研修機関において十分な矯正歯科領域全般にわたる基本的な教育と臨床的なトレーニングを受けた歯科医師による診察、検査、診断を基に治療を行うことを推奨します。
- 欠点
・歯の移動量の少ない症例に限られる(軽度の乱杭歯、軽度の歯の空隙、矯正治療後の軽度の後戻り等)。
・毎日長時間の装着を必要とし、使用状況によって効果が大きく異なる。
・小児や骨格性要因を含む症例には適さない。
・現在の医療水準で考えれば精密な歯の移動は原則として困難で、満足のいく治療結果が得られない可能性がある。- 利点
・他人から見えにくい装置である。
・ 装置の着脱が簡単で食事や歯磨きがし易い。
・金属アレルギーを有する方も使用できる。
・診療室での治療時間が比較的短い。
矯正治療とは医療であることをお忘れにならないでください。うまくいけば「ラッキー」ではありません。
お子様のために、毎日一生懸命に「あいうべ体操」や「MFT」を頑張られている親御様も多いと思います‥‥その努力は素晴らしいです。ですが、なかなか結果に結びつかないご家庭もあると思います。
まず、それらの治療開始時に、現状のご説明はいただきましたか?原因を理解し、「何をどう改善するのか?」の目的は明確になっていますか?
仮にお子様の歯並びの悪さの原因が骨格にある場合、「お口周りの機能訓練」や「生活習慣改善」といったソフトウェアへの対処では、骨格への実効力までは困難です。
ランパセラピーの目的、「中顔面の上前方への成長誘導」は、他のいかなる手段でも大変難しい。「健全な成長」まで追求するならば、この上前方というベクトルは必要条件です。
つまり、「傾いてしまった家は、柱から建て直さなくてはいけない」ということ。
代替手段として、唯一とも思えるのが「舌」による誘導力ですが、そのためには鼻呼吸の徹底が必要条件です。
ですが、この骨格の問題には「鼻腔の狭小化」という「鼻呼吸最大の壁」が存在します。そう、それ以前の状態でなくては「舌の誘導力」、つまり「あいうべ体操」も「MFT」も非現実的です。
骨格の問題(鼻腔の狭小化)がある中での鼻呼吸では「息苦しい」のですから。
下がってしまった中顔面に対し、RAMPAの装置で長時間、強制的に力を加えられて、やっと骨格は上前方へ成長方向を変化させます。骨格の変化なんてそう難しくないのであれば、RAMPAがこんなに大変なはずはないんです。骨格に変化が起きてしまった結果で、口呼吸になっている。だから「口呼吸を鼻呼吸に変える」って難しいんですね。MFTが活躍するのはここではありません。
中顔面の下方成長とは骨格の問題。これを医療として、そしてより健全的に改善するとなれば、私たちには「中顔面を上げる」以外の選択肢はありません。外科矯正とてリスクと限界があります。歯並びだってもちろん大切。ただ矯正治療、そこには生命の根幹、「呼吸」が関わります。
治療の優劣ではなく、これは治療の役割と選択肢。装置を使用する矯正治療で「中顔面を上前方に上げること」が可能なのがランパセラピーです。
この役割を「舌」に求めるMFTですが、劣成長の骨格に実効的に作用させることはまず現実的ではありません。正しい骨格の上で行ってこそ、MFTはその価値を発揮します。
親御様の努力が実を結ばないのは、「努力不足」ではありません。しかし、その努力を向ける先がずれているのかもしれない。原因は「骨格」というハードウェアにあるかもしれないのです。
ほとんどの矯正治療では装置を使い、歯列や骨格に力をかけて矯正していきますが、実は矯正装置によってかける力よりも、はるかに大きい力で、「舌」は歯列や骨格に力をかけています。裏を返せば、舌が正しい位置にある・ないって、思いの外、影響が大きいはずです。
ホントは舌やその周りの筋肉が、何よりの矯正装置。同時に舌は、歯並びの域を超えた役割も担っています。ということはつまり、舌が正しい位置にないことは、骨格の正しいとはいえない成長を導き、それが何らかの悪影響として現れる可能性が高い。その代表が歯並びや呼吸の不具合となります。
「MFT」とは本来、予防的意義として最上位概念にある治療なんです。「予防」こそが、MFTが活躍する場面です。
口呼吸より鼻呼吸の方がいい理由で、鼻腔のフィルター機能(鼻毛や粘膜がウィルス等をブロックする)、加湿・加温機能(吸った空気の湿度と温度を調整する)。これらは、よく知られています。
実は酸素摂取効率の差:鼻呼吸は「約10〜20%」高い
多くの研究(Swift氏らの研究など)において、鼻呼吸は口呼吸に比べて、動脈血中の酸素分圧を約10〜20%上昇させることが示されています。
鼻呼吸と口呼吸の「酸素摂取効率」に関するデータには、主に一酸化窒素の有無と、肺でのガス交換効率(気道抵抗)という2つの側面から明確な差を示す研究があります。
- 「一酸化窒素(NO)」
鼻呼吸が、酸素摂取に有利な最大の理由は、副鼻腔で産生される一酸化窒素にあります。
メカニズム:鼻から息を吸うと、副鼻腔で発生した一酸化窒素が肺へ運ばれます。一酸化窒素には血管拡張作用があるので、肺の毛細血管が広がり、酸素が血液中へ移動する効率(ガス交換効率)が向上します。
口から吸った空気には一酸化窒素が含まれないため、肺の血管が十分に広がらず、同じ量の空気を吸い込んでも、血液に取り込まれる酸素量は少なくなります。
- 「気道抵抗」
鼻腔は口よりも狭いため、呼吸の際に適度な抵抗が生まれます。これが実は重要です。
メカニズム:抵抗があることで、呼気(吐く息)のスピードが抑えられ、肺の中に空気が留まる時間が長くなります。これにより、肺胞で酸素を吸収する時間が確保されます。
口呼吸では抵抗が少なすぎるため、空気の出し入れが早くなり、「浅い呼吸」になりがちです。結果として、肺の下部まで空気が届かず、酸素摂取効率が低下します。
一生懸命に空気を吸っているのに、身体が酸欠…そんな矛盾が「口呼吸」では起こっています。鼻を通ることで初めて、効率よく酸素が全身へ届きます。そして、ランパセラピーでは、鼻副鼻腔や気道の物理的な容積を拡大します。
脳や身体の成長には酸素が不可欠。そして正しい口腔域の発達には、舌が上顎についた状態(鼻呼吸)が不可欠です。本当に人間の仕組みってよくできています。それがヒトのDNAに刻まれた進化の歴史なんですね。鼻呼吸の方がいいと教えてくれています。
科学哲学者カール・ポパーは、「反証できることこそが科学の証拠である」と説いています。
・例:「すべての白鳥は白い」という理論がある。
・反証:「たった1羽でも黒い白鳥(ブラックスワン)」を見つければ、その理論は間違いだと証明(反証)される。
つまり、どんなに「正しい」と言われている説でも、常に「もしかしたら違うかも?」というデータにさらされ、それを乗り越えて残ったものが「信頼できる科学的根拠」ということです。
ランパセラピーはまさにそれらの理論に向きあっている存在です。
AIとは、膨大な「既存の合意」、つまり「平均的な正解」を学習のベースにしているため、ランパセラピーは機械的にネガティブなラベルを貼られてしまいます。だからこそ、この治療には価値があるのです。例えば‥
- 世の中の矯正治療では骨格が原因と暗に示しながらも、抜歯を肯定、もしくは「仕方がない」としている→抜歯を否定するRAMPAはエビデンスが薄い
- ランパセラピーでは、抜歯などあり得ないとしている→既存の矯正治療では骨格への実効的な介入は難しいことの現実がある
AIとは、既存のパラダイムシフトを評価する設計はされていません。ランパセラピー専門なら尚更です。だから当院のWEBサイトは、AIにあまり評価されません笑
ただ、私たちはAIに評価されるために仕事をしているわけではない。ランパセラピーを伝えるのは、子どもたちのためであって、今現在のAIに評価されることとは、逆行するスタンスを取らざるを得ません。
AIが推奨するそれらの治療で、お子様の呼吸改善やご家庭の治療目的が叶うイメージは湧きますでしょうか?AIに低評価とされること自体が、ランパセラピーと当院の独自性と視点の違いの証明でもあります。
学会発表と論文発表
・European Conference on Dentistry and Oral Health パリ
1. クラスIの前方部叢生と喘息および慢性副鼻腔炎を有する患者に対するRAMPA療法の症例研究:CT画像評価
2. RAMPA療法によるアントレー・ビクスラー症候群およびダウン症候群患者の上気道容積の増加
・MENA Congress for Rare Diseases アブダビ
1. RAMPA療法を用いたダウン症候群患者の治療:頭蓋顎顔面成長誘導法
2. RAMPA療法を用いたアーノルド・キアリ奇形患者の治療:頭蓋顎顔面成長誘導法
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
1. RAMPA療法を受けたダウン症候群児の呼吸症状の改善
・DownSyndrome ダラス
1. RAMPA療法を用いたダウン症候群患者の非外科的治療:頭蓋顎顔面成長誘導法
2. RAMPA療法による希少疾患患者の呼吸器症状の改善
・CMBBE バルセロナ
1. RAMPA療法を用いたアーノルド・キアリ奇形患者の非外科的治療:頭蓋顎顔面成長誘導法
2. RAMPA療法によるアントレー・ビクスラー症候群の小児の呼吸器症状の改善
・日本鼻科学会
1. 非外科的RAMPA療法による患者の気道容積増加に関する統計分析
2. RAMPA療法による鼻閉患者の気道容積増加に関する統計分析
・RAMPA療法が鼻腔および副鼻腔の体積評価に及ぼす影響:副鼻腔の透過性が良好な患者と不透過(混濁)した患者における比較統計解析
Yasushi Mitani , Yuko Okai-Kojima , Mohammad Moshfeghi , Morio Tonogi , Shouhei Ogisawa , and Bumkyoo Choi:Oral2026, 6(1), 8
・RAMPA療法が鼻腔拡大および副鼻腔排泄に及ぼす影響:流体力学解析、CAEシミュレーション、および症例報告
Mohammad Moshfeghi, Yasushi Mitani, Yuko Okai-Kojima and Bumkyoo Choi:Biomimetics2026,11,5
・RAMPA療法:上顎骨の前上方牽引における縫合剛性の影響;有限要素解析(FEA)による検討
Mohammad Moshfeghi, Yasushi Mitani, Yuko Okai-Kojima, Bumkyoo Choi and Peiman Emamy:Oral 2025,5,74
・症例報告:RAMPAと新規ハイブリッド口腔内装置を併用した上顎口蓋複合体の顎整形外科的治療
Yasushi Mitani, Mohammad Moshfeghi, Noriyuki Kumamoto, Takahisa Shimazaki, Yuko Okai-Kojima, Morio Tonogi, Shouhei Ogisawa, Bumkyoo Choi
いくつかコラムをご覧いただくと、類似のお話しが多いとお感じになるかもしれません。様々な視点からのお伝えではありますが、その内容が多岐にわたるわけではないのはその通りです。
ランパセラピーのその発想は、「より健全な手段で、原因から改善してあげたい」。ぜひご参考にされてください。
顎の骨格の劣成長は、呼吸機能の低下から、脳や身体の酸素不足を招きます。ランパセラピーは他の矯正と何が違うのか?今まで悩んでいた小児矯正に関する疑問。ランパセラピーの中に、その答えが見つけられるかもしれません。
治療法とクリニックの選択は、矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。必ずご納得ができるまでリサーチをされてください。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくありません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都府内産婦人科等勤務を経て、大阪歯科大学に入学。大阪歯科大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。歯学博士。
2017年東京都港区麻布十番にランパセラピー専門医院「こどもと女性の歯科クリニック」開院。
2024年「医療法人社団セントワ」開設。同法人理事長就任。
日本小児歯科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・日本ダウン症学会所属。
RAMPA研究会・赤ちゃん歯科ネットワーク所属。
2025年European Conference on Dentistry and Oral Health(パリ)、MENA Congress for Rare Diseases(アブダビ)などにおいて、ランパセラピー学会発表。
プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。
こどもと女性の歯科クリニック
AM8:30〜13:00 PM14:00~18:00(最終受付 17:30)
休診日:金曜・日曜日
〒106-0046 東京都港区元麻布1-4-27-101
TEL:03-6435-2281
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