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こどもの矯正とランパセラピーをご覧いただくにあたり知ってほしい用語
こどもと女性の歯科クリニック

「こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピー」(以下:当サイト)は東京都港区の歯科医院「こどもと女性の歯科クリニック」(以下:当院)が運営しています。
当院では矯正歯科・赤ちゃん歯科を中心に、一般歯科・予防歯科・女性のためのホワイトニング等も行っています。
特に矯正歯科においては顎顔面口腔育成療法、赤ちゃん歯科では乳児期からのお口の発達に取り組んでいます。
顎顔面口腔育成療法

顎顔面口腔育成療法は、主に「バイオブロックセラピー」と「ランパセラピー」による矯正治療です。
口腔内装置のみによる治療となるバイオブロックセラピーよりも、写真のような口腔外装置と組み合わせるランパセラピーの方がより効率的・効果的です。
当院ではランパセラピーを専門的に行い、バイオブロックセラピーはご希望により例外的に提供しています。これら以外の矯正治療は行っておりません。
中顔面

大まかに目のあたりから前歯のあたりまでの、顔の中心部分を「中顔面/ちゅうがんめん」といいます。
写真は骨格で示しておりますが、実際には鏡で見た際のご自身のお顔をイメージされてください。
本来、中顔面の健全な成長方向は「上前方」です。これは少々端的にいいますと、顔が立体的になる方向となります。
中顔面の下方成長

本来、中顔面は「上顎についた舌」の働きによって、その成長方向は上前方(赤矢印)となるのが健全な成長です。
しかし何らかの理由によって「上顎に舌がつかない(口呼吸)」となると、ガイド役を失った中顔面は、主に重力の影響によって、その成長方向を下方へ向かわせます。
サイト内では、この中顔面と上顎骨が似たような表現になりますが、中顔面を構成するのが上顎骨を中心とする骨の複合体とご理解ください。
上前方

中顔面の正しい成長方向は「上前方」です。口呼吸によって下方へと向かうことになった正しいとはいえない成長の結果が、顎骨の歪みへと繋がります。
これに対して、RAMPAのシステムからその成長方向を上前方へと変化させ、歪みの解消を目指します。
これにより、顎骨の歪みによって狭くなった鼻腔や副鼻腔、気道、顎に対して「拡がる」という効果を見込むことができます。
顎骨

上の歯が生えている骨が「上顎骨」、下の歯が生えている骨が「下顎骨」です。どちらも歯が生えている部分だけではないんですね。上顎骨は鼻にも関わる骨です。
イラストでは、特に中顔面の下方成長による鼻腔への影響や、後述の下顎への影響をイメージしてみてください。
歯並びにだけ「何かが起きる…」って、逆に不自然な気もしてきませんでしょうか。
下顎

ランパセラピーの特質上、当サイトでは上顎骨のお話しがメインとなります。
しかし舌が上顎に付かないことによって、下顎骨にもイラスト右の赤矢印のような影響が現れます。結果、下顎の歯並びにも影響がでてきます。
イラスト右上の赤矢印では、顔が縦に伸びるような影響もイメージできますね。
イラスト左の青矢印は、RAMPAによる治療の改善効果とお考えいただいても大きな支障はありません。
まぁるい顎

舌は本来、上顎のスポットといわれる部分に舌先がつき、上顎の歯の内側のスペースに収まるのが健全な形です。
これが日常からできていますと、顎は写真のようにきれいなアーチ状のまぁるい顎に育ってきやすくなります。
この状態ですと矯正治療の必要は、おそらくありませんね。
鼻腔や気道が狭い

中顔面は本来、上顎についた舌の働きによって、その成長方向は上前方(赤矢印)となります。
口呼吸によって、この舌の働きがなくなると、その成長方向は下方へと向かいます。この正しいとはいえない成長の影響によって、上顎骨に歪みが生じ、鼻腔が狭くなりやすくなります。
一方で口呼吸によって下がった舌は、気道を狭くすることに繋がります。
首周りの筋緊張

口呼吸の原因は様々です。当院では特に赤ちゃんの首周りの筋緊張にフォーカスしてお伝えしています。
写真のような赤ちゃんの姿勢は、赤ちゃんの首周りに大きな負担をかけます。次にこの負担は、首周りの筋緊張から口呼吸へと繋がります。
赤ちゃん期の影響が今?と思われるかもしれませんが、こどもの骨格の約80%が1才までに完成するといわれています。胎児期から始まり、生後1年間の過ごし方がより大切です。
舌骨

舌骨といわれる骨があります。この骨は体の中で唯一、他の骨と接していません。すべて筋肉によってその位置を保っています。
先述の首周りの筋緊張は、肩から舌骨に繋がる筋肉の筋緊張を通じて、舌骨を下方へと引っ張ります。このことは別の筋肉を通じて、下顎と舌を下方へと引っ張ることに繋がります。
口呼吸となる大きな原因の一つです。
歯並びの形成

上顎のイラストです。歯並びを形成する大きなポイントが、イラストにあるような「舌圧」と「頬圧・唇圧」のバランスです。
特に口呼吸は、この中の舌圧が弱くなる状態になりますので、外から内へと向かう力が優位となります。
姿勢

先述の首周りの筋緊張は、赤ちゃんでお伝えしましたが、同様のことは、こども・おとな限らず起こりえます。
姿勢を悪くすることで首や肩の筋肉に本来望ましくない力が働き、舌骨の位置を下げ、口呼吸へと繋がります。
矯正治療以前の予防、矯正治療後の維持にも「姿勢」は重要です。
いくつかコラムをご覧いただいた際は、類似のお話しが多いとお感じになるかもしれません。様々な視点からのお伝えとなっておりますが、その内容が多岐にわたるわけではありません。
ランパセラピーのその発想は「より健全な手段で、原因から改善してあげたい。」
ぜひご参考にされてください。
こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント
- 1 舌が正しい位置に付かなくなってくるのは、乳幼児期からの様々な生活習慣の積み重ね。特に近年は赤ちゃん期の首周りの筋緊張による影響が大きい。
- 2 歯並びの問題も含め、最重要ポイントになるのが「舌が正しい位置(上顎につく位置)にあること」、もしくは「きちんとした鼻呼吸が出来ること」
- 3 ある程度の年齢に達し日常化したこどもの口呼吸を鼻呼吸に変えるには、すでに骨格的なアプローチが必要な段階になっている場合が多い。
- 4 呼吸と歯並びの問題は密接な関係にあることの理解が必要。ランパセラピーの視点から見れば歯列の矯正だけで完結する問題は決して多くはない。
- 5 矯正治療でまず考えるべき目的は「歯並びを整える」なのか?「歯がきれいに生え揃うお口に整える」なのか?
当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。
どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、そのご負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして、今ひと時のリサーチをお願いいたします。ぜひ複数のクリニックでお話しを伺ってください。ご家庭で話し合われてください。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの最適解と当院は思います。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。

こどもと女性の歯科クリニック
AM8:30〜13:00 PM14:00~18:00(最終受付 17:30)
休診日:金曜・日曜日
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