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こどもの矯正治療をご検討の親御様へ
小児矯正についてお考えいただきたいこと
はじめに
「なぜ、お子様の矯正をお考えでしょうか?」
近年、お子様向けのマウスピース型矯正が小児矯正として提供されていますね。小児矯正は一期矯正ともいわれるように、二期矯正に向けての準備との意味合いが強くあります。
マウスピース型矯正の普及に伴い、選択肢が増えている分、親御様においては治療ごとの違いを理解をされることが必須になってきます。
小児の矯正には期間的なリミットがあります。そもそも何度も行うものではありませんが、すでに他の治療中にも関わらず、セカンドオピニオンとしてランパセラピーへと辿り着く方が多くいらっしゃいます。
※コンテンツ内には日本と中国・アメリカとの比較統計がありますが、矯正治療の費用や保険適用の有無などその条件は国によって様々です。単純な比較にはならない部分もございます。
RAMPA(ランパ)セラピーとは、歯並びが悪くなる原因の根本的な解消を目指し、歯がきれいに生えるような土台に整え直そうという治療になります。
ランパセラピーについて、まだ知らない方や先に知っておきたい方は、下リンクからどうぞ。
小児矯正の意味
ご理解をいただきたいのが、多くの小児矯正は大人の矯正治療とは目的が異なり、乳歯から永久歯への生え変わりを見据えています。
歯は生え変わり、その大きさも異なります。このことは、考えてみれば当たり前のことですが「言われてみれば小児矯正ってどういうものなの…??」は大切な疑問です。
決して小児矯正が小児の時期の歯並びを軽視するものではありませんが、こどものうちに対処しておけば、「大人になってからの矯正の負担が軽くなる」、もしくは「大人になってからの矯正治療が必要なくなる」に重きを置いています。
だったら矯正は後からでもいいんじゃないか?とは思われますね。そのような判断でもよいお子様もいらっしゃいますし、そのような考えを持つ歯科医師もいます。
それでも多くのこどもたちにとって、小児矯正の意義はあると当院では考えます。乳歯が生え始め、永久歯が生え揃うまでは、そう短い期間ではありません。後々「もう間に合わないかもしれない」や「抜歯が必要」も、親御様としては避けたい事案ですね。
お考えはどうあれ親御様の判断による「様子見」はあまりおすすめいたしません。歯科医師と共有しながらの「経過観察」は結構だと思います。
※抜歯矯正自体は悪いことではありません。抜歯にこだわるあまり、適切ではない治療を選択されてしまうこともありますので先生の意見をよく伺ってください。

小児矯正の必要性は親御様の考え方によるところも大きいものです。
しかしそこに先入観や人から聞いた話があれば、正しくない道しるべとなる場合があります。
診断はお子様ごとに異なります。矯正をする・しないは別の話でよいと思います。まずはご相談を受けられてください。
こどもの矯正について

「こどもの将来のため、今のうちから歯並びをきれいにしてあげたい。」や「こども自身が歯並びを気にしている。」など、矯正治療は多くの方にとって「見た目・外見」がその入り口でしょうか。
見た目がよくなることで、今後どれだけよい影響があるのかをイメージされたよいお考えだと思います。もしかしたら親御様自身、「私が歯のことでは苦労したからなぁ。」とのお考えもあるかもしれないですね。

「海外では矯正なんて当たり前」なんてお話しも、治療をリサーチされる中で見かけられたでしょうか。
歯科に関する意識が高い国々では、矯正治療等によって変化する未来への理解が深く、外見的な意味合いはもちろんのこと、「むし歯や歯周病のリスクが高い」や「食事をきちんと噛めず栄養の吸収が悪くなる」など、矯正治療をしないことによって、健康面のリスクが現実となる可能性まで見据えています。

一方で矯正治療自体に対して、二の足を踏んでしまっている親御様もいらっしゃいます。
「高額な費用がかかる」や「そもそも分からないことだらけ」など、その気持ちも当然のことです。
費用に関して、そもそも日本の「一般的な歯科治療」は非常に安価に設定されています。多くの患者様はそのうえ保険適用となり、当面の費用負担は欧米の歯科治療に比べて、かなり軽くなっています。とはいえ財源が限られている以上、適用されるのは必要最低限に近い治療となっています。
広く必要とされる方にはよい仕組みである一方で、「費用をかけたくない」となると質の高い治療との費用の差が非常に大きく感じられてしまいます。いわゆる銀歯とセラミックの関係性などはその典型です。
見た目がそう気にならないとしても、保険診療内の材料は長持ちもしないことが一般的です。結局、また歯科に行くことになり、二次的なむし歯等を招くことにも繋がります。
そのような日本流の歯科の形が私たちの意識に根付いています。高い治療を勧められたなどで悪い評判とされる例も見かけますが、「高い治療を売りつけよう」という思いではない医院が大半であることを患者様も頭の片隅に置かれてください。
よりよい治療を受けていただきたいとなると、その多くが「自由診療」となってしまう国のシステムなのです。
多くの大人の方が通った歯医者への入り口である「むし歯治療」でかかっていた費用を考えれば、矯正治療はなおさら高額に感じられてしまいますね。
お恥ずかしい話ですが、私は経済の話には明るくありません。「ローコストハイリターン」はどうしても考えたくなりますが、そう単純にはいかないのが常と存じます。
治療にギャンブル的な側面はそぐいません。目的を明確にされ、きちんとリサーチをし、矯正方法や歯科医院を熟考することが、費用的な意味も含めて、目的をかなえうる中での「ローコスト」に繋がるのかもしれません。
ここまでの様々な統計から読みとれるのは、
- 矯正治療は必要だと感じている
- 様々な懸念点からなかなか行動に移せない
になるかと思います。こどもの矯正について、このような考えに行きついていましたら、おそらく実際に歯科へ足を運ぶことが、最も正解に近い答えを最も早く導くことができる解決法と思います。ちょっと違うなと思ったら次の歯科です。
矯正治療に手遅れという言葉は適切ではありませんが、いつ始めても同じ結果に行き着くものでもありません。
日々お忙しい中とは思いますが、お子様のお口も日々成長や変化をしていくことも頭の片隅に置かれてください。
ランパセラピーについて
先述のお話しからしますと、なかなか踏ん切りがつかないということは「決め手がない」の裏返しもあるかと思います。
もしも矯正治療「ランパセラピー」についてご存じなければ、あともう少しだけお時間を取って他コラムもご覧ください。
この矯正治療では、「歯並びが悪くなる原因からのアプローチ」や「顎の健全な発育を促す」などをキーワードとしています。
とはいっても「なんだ。同じようなの見たことあるな。」かもしれませんね。矯正治療をリサーチしていれば、いずれこれらのワードは目にします。
しかしランパセラピーは他の矯正治療とは視点・アプローチなどそのほとんどは異なります。ここにたどり着いたことは、決して無意味ではありません。
「ランパセラピーについて知っていただくこと」、このことはこどもの矯正治療をお考えの方にとっては大変意味のあることだと思います。これは実際にランパセラピーによる治療を「する・しない」に関わらずです。
どの治療が「優れている・劣っている」とのお話しではありません。
お子様の判断の代わりをされる保護者の方には、治療ごとの違いを理解され、どの矯正治療がご家庭の事情や希望に合っているのかをお考えいただきたいのです。特に、ランパセラピーを初めて耳にされた方には、矯正に対する考え方まで変わるかもしれません。
もちろんご家庭ごとのお考えもあると思います。ランパセラピーを知っていただき、矯正治療の選択肢としてお考えいただけましたら、それで結構です。ぜひ一度、お子様のために、ランパセラピーについてご覧ください。
おかしな質問をさせていただきますが、ご容赦ください。
「矯正治療の目的は “歯並び” で大丈夫でしょうか?」
今一度、考えてみてください。

こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント
- 1 舌が正しい位置に付かなくなってくるのは、乳幼児期からの様々な生活習慣の積み重ね。特に近年は赤ちゃん期の首周りの筋緊張による影響が大きい。
- 2 歯並びの問題も含め、最重要ポイントになるのが「舌が正しい位置(上顎につく位置)にあること」、もしくは「きちんとした鼻呼吸が出来ること」
- 3 ある程度の年齢に達し日常化したこどもの口呼吸を鼻呼吸に変えるには、すでに骨格的なアプローチが必要な段階になっている場合が多い。
- 4 呼吸と歯並びの問題は密接な関係にあることの理解が必要。ランパセラピーの視点から見れば歯列の矯正だけで完結する問題は決して多くはない。
- 5 矯正治療でまず考えるべき目的は「歯並びを整える」なのか?「歯がきれいに生え揃うお口に整える」なのか?
当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。
どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、そのご負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして、今ひと時のリサーチをお願いいたします。ぜひ複数のクリニックでお話しを伺ってください。ご家庭で話し合われてください。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの最適解と当院は思います。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。

こどもと女性の歯科クリニック
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