コラム

おすすめの治療ってあるの?小児矯正の種類にはどんなものがある?

はじめに

多くの治療法・商品名などが散見され、矯正治療をご検討の方にはその違いを理解されるのも大きなご負担ですね。

しかしご家庭やお子様ごとに事情は変わってきます。単純に「これがいいな。」と比較ができるものでもありません。矯正治療ごとに目的や手段も変わってきます。検討するポイントは「どの治療がいい・悪い」ではなく「どの治療が適切なのか」が大切です。

一括りに「おすすめ」と呼べる治療はありません。

小児の矯正治療には予防的な側面があります。「まだそんなに悪いわけでもないのに負担の大きい治療は…」とのお気持ちはよく分かります。

しかしお子様のお口は、良くも悪くも成長していきます。そこに保護者の方のご判断による「様子見」は大きな意味を持ちません。ある程度の知識を得ましたら、早目のご相談をおすすめいたします。

矯正治療の経験を持つ大人の方からは「もっと早いうちにやっておけばよかった。」とのお話しはよく伺います。ご相談されたからといって、そこで矯正をする義務はありませんので、どうかお気軽に。

元を辿りますと、こどもの矯正治療には大きく分けて3つの種類があります。

目次

    ワイヤー矯正

    ブラケット矯正・裏側矯正・舌側矯正などの呼び方でいわれることもあります。

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    いわゆる一般的な矯正治療ですね。ワイヤーが見えているイメージに抵抗がある方に向けて、目立たないタイプや歯の裏側に装着できるタイプもあります。比較的多様な不正咬合に対応が可能ですが、基本的に装置の取り外しはできません。ワイヤーの力で歯を少しずつ移動させていきます。

    お子様の一期矯正の次の段階、二期矯正は主にこのタイプです。ワイヤーを付ける位置によって裏側矯正・舌側矯正などの呼び方となります。ワイヤー矯正にもいくつか種類があり、それぞれに特徴が異なります。

    マウスピース矯正

    具体的な商品名は控えますが数種類あります。

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    決して最新といわれる発想ではありませんが、近年、マウスピース型の矯正治療が増えてきました。痛みが少ないことや比較的安価とされることなどから、ご負担が軽くなり矯正治療に対するハードルは低くなります。一方で矯正治療に対するハードルが低くなったのは歯科医師に関しても同様です。

    しかしその構造上、不得手とする症例もあります。特にマウスピース型の矯正治療をご希望される方に多い傾向の考え方ですが、すべての方にマウスピース矯正が適切なわけではないことは改めてご記憶ください。

    ハードルが低いからこそ、十分なリサーチとご相談を重ねることが大切です。費用や見た目は最優先すべきことではないと思います。

    こどもの矯正は、永久歯が生えるための準備的な側面が強くなります。多くのマウスピース型の装置による小児矯正では、お口のトレーニングも必要になってきます。取り外しができることもあり、自己管理がより必要になってきます。

    お子様や親御様の頑張りが大切です。マウスピース矯正にもいくつか種類があり、それぞれに特徴が異なります。

    主に「顎を拡げる・顎を育てる」がキーワードとなっている矯正治療

    床矯正

    拡大床といわれる装置を使用して行います。小児の一期矯正で使用されることが多いですね。「永久歯が生えるスペースが足りない」と予想されるときに使われます。

    あえてこちらで記載しましたが、非常に大切なことがあります。床矯正で拡げるのは「顎」ではなく、基本的に「歯列」です。これは必ずご記憶ください。「顎が小さい」から「顎を拡げる」という治療ではありません。

    MFT(口腔筋機能療法)

    治療というよりはお口のトレーニングといった理解の方が分かりやすいですね。舌やそしゃく筋などのお口を取り巻く筋肉の機能を改善し、正しいお口の環境に整えようとの考え方になります。予防的な側面が強くなることと、お子様自身のトレーニングの必要性があることはご留意ください。

    (装置を使用しない)機能的矯正や予防的矯正といわれることもあります。MFTとは異なりますが、装置を使用する機能的矯正もあります。

    ※機能的矯正:装置による器械的な力ではなく、噛む力などを装置を介して矯正力に変える矯正治療

    顎顔面矯正

    急速拡大装置といわれる装置を使用して行います。口蓋(上顎の天井部分)の正中口蓋縫合(口蓋中心の前後のライン)と呼ばれる部分を装置で離開して顎のスペースを拡げようというのが、基本の考え方です。

    ※名称は似ていますが、顎顔面口腔育成療法とは異なる治療です。

    顎顔面口腔育成療法(バイオブロックセラピー・ランパセラピー)

    バイオブロックセラピーとランパセラピーでは使用する装置や期間などが異なりますが、矯正装置と人の成長力を利用してお口まわりの骨格を健全な形に整えようというのが、基本の考え方です。

    ※名称は似ていますが、顎顔面矯正とは異なる治療です。

    RAMPA(ランパ)セラピーとは歯並びが悪くなる原因の根本的な解消を目指し、歯がきれいに生えるような土台に整え直そうという治療になります。

    当サイト内では治療に関する記述では「ランパセラピー」、器具・システムに関する記述では「RAMPA」と表記しております。

    ランパセラピーについて、まだ知らない方や先に知っておきたい方は下リンクからどうぞ。

    子供矯正で行った治療方法

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    まとめ

    当院は矯正治療において、顎顔面口腔育成療法の専門医院です。

    他の矯正治療については「こんなのがあるんだ。」程度のご紹介にとどめ、それらのメリット・デメリットや写真等の詳細は当サイト内ではお伝えを控えます。顎顔面口腔育成療法以外の矯正で気になる治療がございましたら、取り扱いのあるクリニックに直接お問い合わせください。

    当院が扱っていない治療について無責任なお伝えはできませんので、お手数かとは存じますが何卒ご理解くださいませ。

    諸々のサイトで見かけられるメリット・デメリットとは、広く一般的なものである場合がほとんどです。もちろんそれらのご理解はお願いいたします。

    しかし矯正治療においては、患者様それぞれに事情は異なります。実際にはそれを行う歯科医師の考え方によるところも小さくありません。クリニックとの相性というものもあります。

    術式も大事ですが、術者はそれ以上に大事な部分です。

    矯正治療についてお悩みの方が、本当に知りたいメリット・デメリットとは、ここにあるのではないかと思います。

    よくいわれるように矯正治療は一生ものです。

    親御様におかれましては、今ひと時の手間を惜しまず、多くのリサーチやご相談を重ね、ご納得の結論で矯正治療法やそれを任せたいと考えられるクリニックをご選択ください。

    こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント

    • 1 舌が正しい位置に付かなくなってくるのは、主に赤ちゃん時代からの様々な生活習慣の積み重ね。特に近年は赤ちゃんの首周りの筋緊張による影響が大きい。
    • 2 歯並びの問題も含め、最重要ポイントになるのが「舌が正しい位置(上顎につく位置)にあること」、もしくは「きちんとした鼻呼吸が出来ること」
    • 3 ある程度の年齢に達し日常化したこどもの口呼吸を鼻呼吸に変えるには、すでに骨格的なアプローチが必要な段階になっている場合が多い。
    • 4 呼吸と歯並びの問題は密接な関係にあることの理解が必要。ランパセラピーの視点から見れば歯列の矯正だけで完結する問題は決して多くはない。
    • 5 矯正治療でまず考えるべき目的は「歯並びを整える」なのか?「歯がきれいに生え揃うお口に整える」なのか?

    当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。

    当院・他院に限らず、ホームページ等で記載がされている、「〇〇の原因」や「〇〇を改善するためには?」などは最終的に一つの答えに収束するものではありません。クリニックごとの考えの優先度・重要度などにより記載が異なってまいります。実際には患者様それぞれに答えはいくつもございます。

    どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、ご家庭の負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして今ひと時のリサーチをお願いいたします。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの答えと存じます。当院から精一杯お伝えさせていただくならば「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。

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    この記事を監修した人
    こどもと女性の歯科クリニック
    院長 岡井有子

    看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。

    こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピー

    こどもと女性の歯科クリニック

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