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ランパセラピーを始める時期はいつから?いつまで?
RAMPA対応可能な年齢
はじめに
当院では、ランパセラピーが必要ではない方に治療をおすすめすることはありません。検査の結果や親御様とのお話しを踏まえ、矯正の是非を含め、ご提案をいたします。
矯正相談においても、治療を始める前提はありませんのでご安心ください。しかしランパセラピーは骨に関わることですので、適した時期があるのも事実です。当院として営業的なご提案はいたしませんので、納得がいかれるまでお考えください。
矯正治療ごとにその過程は異なります。治療が始まりますと、方針の変更が難しい場合もあります。親御様の冷静なご判断と治療へのご納得が大切です。
治療に適齢期があるのは確かですが、矯正をリサーチしている「今」がアクションを起こすには最適期です。
お子様の年齢に関わらず、「えいやっ!」の心意気でいつでもご相談ください。
RAMPA(ランパ)セラピーとは、歯並びが悪くなる原因の根本的な解消を目指す治療です。
ランパセラピーの適齢期は?
ランパセラピーが治療として適切との判断の場合、「成長期を利用することで最も効果的に働く」という理由などから、当院では5才〜12才を適齢期、中でも5才~7才を最適齢期としています。
かといって、「まだ早い」や「もう遅い」との考えは不要です。年齢は目安であって、診断はお子様ごとに異なります。12才を超えましても、装着時間などのお約束が変わりますが、多くの場合は対応可能です。
矯正治療はご本人の気持ちやご家庭の協力も欠かせません。例え、適齢期を外れたとしても、それらも考慮され、医師との相談の上、総合的なご判断を大切にされてください。
5才~7才の最適齢期は、ランパセラピーをご検討であれば重要視していただきたい年齢帯です。しかしそれを超えてしまったら「もうできない」というものでもありません。効果の見込みや予測できる範囲のご負担は率直にお伝えいたします。
5才~7才に近いお子様がいるご家庭は「最適齢期」をまず意識されてください。RAMPAの最大値が引き出せる年齢帯です。
治療期間が中学生以上にかかりますと、部活などお子様の社会生活の幅も広がります。装置の装着時間の確保がしづらい環境になることも、最適齢期をお伝えする理由の一つです。
一方で「100%とはならなくとも、少しでもよくしたい…」とのお気持ちも分かります。年齢は一つの目安として、お気軽にご相談ください。大人で取り組まれている方もいらっしゃいます。年齢だけで、あきらめる理由はありません。
適齢期と最適齢期
一般的にRAMPAの適齢期は、5才~12才あたりで設定されていることが多いです。当院でも同様の記載はしていますが、そのうえで最適齢期を5才~7才としています。
これらを読まれたことで、12才までは様子を見ようとのお考えに至る親御様もいらっしゃるかもしれませんが、適齢期と最適齢期の治療経過の差は思いのほか大きいことはデータから実感しています。
RAMPAは大人でも可能です。また12才を超えたからといって手遅れということでもありません。一方で、適齢期としてお伝えするならば、それは5才~7才と発信すべき時期にきているのかもしれません。
もしお子様がまだ小さいのであれば、時期を待たず「5才~7才」での受診を推奨いたします。
適齢期という記載の弊害

統計資料からお考えいただきたいのは「できるだけすぐ」以外でお考えの親御様が、その期間をどう捉えられているのかです。
お子様の状況を歯科医院と共有しながら、矯正治療のスタート時期を模索しているのならば、結構なことと思います。
しかし様子見や何となくとのお考えでしたら、悔いが残ることにもなりかねません。
もし今、歯並びが悪くなりそうなサインをお子様から感じ取られているのならば、親御様のご判断による様子見はされないほうがよいと思います。矯正の是非はともかく、お子様の状況は歯医者さんと共有された方がよいです。
一度悪くなり始めた歯並びが、時間の経過とともによくなっていくことは、そうはありません。
「まだ歯並びは悪くない」という時期ならば、尚更よいと思います。今のうちからかかりつけの歯医者さんを見つけられてください。それだけで、おそらく結果は変わります。
適齢期に始められると?
適齢期にランパセラピーを始められた場合、歯の交換期が終わり永久歯が生え揃う時期を大まかな治療終了の目安としています。適齢期は、比較的順調に治療が経過しやすくなります。
※進捗によって永久歯が生えてくるのを待つ期間がある場合があります。
ランパセラピーでは抜歯の必要性はまずありません。土台ごと必要なスペースは拡げますので、抜歯をしてスペースを作らなくてはならない状況にはならないのです。
きちんと埋伏歯なども萌出してきます。その後、健全な口腔機能を取り戻しながら、歯並びを整えていきます。


※まだスペースを拡げている過程(治療開始後4カ月)ですが、歯と歯の間には隙間が空いてきています。抜歯をする状況にはないですね。
治療の過程で
ランパセラピーでは、治療の過程で一時的に「すきっ歯」や「出っ歯」に見えてしまう時期があります。
矯正治療では装置を付けた段階から歯並びが整っていくイメージがあるかもしれませんが、小児の矯正となると必ずしもそうではありません。広くいわれている「顎を拡げる」と「歯並びを整える」はイコールの作業とはならないんですね。
さらにランパセラピーでは、一般的な矯正治療とも過程が異なりますので、「えっ大丈夫?」と思われることもあると思いますが、これらは想定されている経過ですのでご安心ください。それがもし懸念点なのであれば、必ずお話しいたします。
しかしお子様にとっては一時期とはいえ、あまり嬉しいお話しではありませんよね。治療のご検討においても大切な要素となると思いますのでお伝えをいたします。
簡易的にご説明しますと、込み合った歯列の土台から拡げますので、その上に生えている歯同士には隙間が空いてきます。もともと乳歯列期には歯と歯の間には隙間があるべきなんですね。でないと乳歯より大きな永久歯の生える場所が足りなくなります。この状態を矯正装置で作っているということです。
ですのでいわゆる「顎が小さい」とされた場合、治療では「顎を拡げる過程」があるはずなのに、歯と歯の間に隙間が空いてこないのは少々疑問ということになります。
矯正治療のために歯を抜くという過程は、十分な成長が叶えば、本来必要ないのです。じゃなきゃヒトの設計図、遺伝子がおかしいという話にもなります。RAMPAの理念の源はここにあります。
ランパセラピーの特質上、上顎に関するお話しがメインとなりますが、中顔面の下方成長により、イラスト右側の赤矢印のような影響が下顎にも現れます。イラスト左側の青矢印はRAMPAによる改善効果とお考えいただいても大きな差し支えはありません。ポイントは、
①上顎が下がることで、下顎が後方に回転するように変化する(イラスト右)
⇒だから舌が上顎に付かなくなる・鼻腔や気道が狭くなる・歯並びが悪くなるなんですね
②RAMPAによって上顎を上前方に成長変化させることで、下顎も前方に回転するように変化してくる(イラスト左)
⇒RAMPAによる骨格改善と治療効果のイメージは湧きますでしょうか?
「顎の成長が追いつかない」や「永久歯が生えてこない」などお子様の成長も様々です。
いずれにしても顎の成長や治療の進行にともなって、最終的には自然できれいな歯並びに整いますのでご安心ください。
適齢期に始められなくても?
永久歯が生え揃ったあとからのランパセラピーについても、あきらめずにご相談ください。
RAMPA装着の時間や期間のご負担が増える可能性は高いですが、当院では25才位までは十分に治療の効果が見込める可能性があると考えています。それ以上の年齢の方ですと、対象外とは言い切れませんが、「どのくらいの効果が見込めるのか?」の予測は難しくなります。
骨に関わることなので、年齢が高くなるほど難しくなるご説明は率直にお伝えいたしますが、「少しでもよくしたい!」とのお気持ちを持ってランパセラピーに取り組まれている大人の方もいらっしゃいます。
ご自身が小さな頃は分からなかったことを、大人になってから知ることで、むしろ親御様の方が「私がやりたい!」とおっしゃられる場面は多いですね。
「大人といっても、この先の人生は何十年もある。少しでもよくなればいい…」
との言葉には切実な思いが感じられます。ランパセラピーがなかった時代に育った大人の方のお話しを伺うことは複雑な思いがします。

こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント
- 1 舌が正しい位置に付かなくなるのは、乳幼児期からの様々な生活習慣の積み重ね。
- 2 お口の発達においての最重要ポイントは「きちんとした鼻呼吸ができること」
- 3 ある程度の年齢に達したこどもの口呼吸は、骨格的なアプローチが必要な段階にある場合も多い。
- 4 呼吸と歯並びには密接な関係があることの理解が必要。歯列矯正のみでは骨格へのアプローチは難しい。
- 5 矯正治療の目的は「歯並びを整える」でよいのか?「根本からの改善」を目指すのか?
当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。
どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、そのご負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして、今ひと時のリサーチをお願いいたします。ぜひ複数のクリニックでお話しを伺ってください。ご家庭で話し合われてください。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの最適解と当院は思います。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。

こどもと女性の歯科クリニック
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