コラム

ランパ矯正とランパセラピー
どちらも見かけるけど同じ矯正?違う矯正?

はじめに

「ランパ矯正とランパセラピーって違うんですか?」

このようなご質問をいただくことがあります。

お子様の矯正治療をリサーチする中で、ランパセラピーに辿り着いた親御様が矯正相談へと足を運んでくださいます。実際に、「矯正治療を調べるなかで見つけた。」や「こんな治療があると人づてに聞いた。」など、その経緯も様々です。

ランパセラピーに限ったことでなくとも、矯正治療について、親御様ごとに気になるポイントも様々です。皆さん真剣にお子様の将来を考えていらっしゃいます。

お答えはこうなります。ランパセラピーとランパ矯正は、基本的には「同じ」です。

RAMPA(ランパ)セラピーとは、歯並びが悪くなる原因の根本的な解消を目指し、歯がきれいに生えるような土台に整え直そうという治療になります。

ランパセラピーについて、まだ知らない方や先に知っておきたい方は、下リンクからどうぞ。

目次

    ランパセラピーとランパ矯正

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    「ランパセラピーとランパ矯正って違うんですか?」

    矯正相談にお越しになられた方より、ご質問をいただくことがあります。そもそもの治療としては同じものです。

    冒頭で「基本的に同じ」とお話しをいたしましたが、これはランパセラピーとランパ矯正の違いに対してではなく、この治療をどう表記しているかは別にして、医院ごとに少しづつ異なる部分があるとの意味になります。

    例えば当院では、RAMPA(外付け装置)による治療は十分な治療結果を得られるまで3クール目、4クール目と実施することも少なくありませんが、そうは考えない医院もあります。しっかりした結果を届けてあげたいとの想いが最優先であって、「早く」は必ずしも優先度を高く考えておりません。かつては、その共有が親御様とうまくできず、齟齬となり不快な思いをさせてしまうことも率直にございました。今も基本的なスタンスは変わるものではありませんが、都度、治療の進捗を確認し、ご家庭のスタンスも大切に考えております。

    また歯列を整える工程は別の治療とされている医院もありますし、もう少し踏み込んでいえば、RAMPAを歯列矯正として考えている医院もあります。当院の目的からいえば、RAMPAは呼吸や骨格の改善のための治療であって、歯列の改善はその副産物とみています。一概に良い・悪いの問題ではありませんが、医院の考え方などもあわせてご確認ください。

    ランパ矯正?

    「ランパ矯正」という言い回しがあるのは知っていますが、個人的には単なる言葉の問題と考えています。

    その歴史や存在意義を紐解いていけば、正しくは「RAMPA THERAPY/ランパセラピー」です。申し訳ございませんが、いつどこで「ランパ矯正」と表現されたのかは、正直分からないんです。

    基本的にはRAMPAという装置やシステム、または矯正治療を通した「療法」なんですね。ランパセラピーの源流であるバイオブロックも「バイオブロックセラピー」とされています。学会発表の場でも、「ランパ矯正」の文字はおそらくないと思います。

    「こどもと女性の歯科クリニック」では、何よりもこどもたちの未来のため、できる限り、ご本人や親御様には「ランパセラピー」を正しく理解していただきたい。

    ランパセラピーとランパ矯正、私の知る限り同じものではありますが、当院では「ランパセラピー」=「ランパ療法」とお伝えをいたします。

    しかし、現実的にランパセラピーという言葉は知らずに、「ランパ矯正」で検索や認知をされている方もいらっしゃいます。ランパ矯正という言葉を安易に否定するものではございませんのでご理解ください。

    顎顔面口腔育成治療と顎顔面矯正

    「顎顔面矯正」と呼ばれる矯正治療を行っているクリニック様もございます。ランパセラピーが「顎顔面口腔育成療法」の枠内にあることから、顎顔面矯正とランパセラピーを混同される方がいらっしゃいます。顎顔面矯正とランパセラピーは全く異なる治療ですので、矯正治療を考えていらっしゃる方はご留意ください。

    まとめ

    改めてランパセラピーのポイントをお伝えします。ただし治療のこととなりますので、実際にご検討ということであれば、他の矯正治療や治療をお願いされるクリニックまで含め、ご納得のリサーチをされてください。

    • 1 本来、ヒトの遺伝子では歯はキレイに生えてくるように設計図はできています。しかしヒトの赤ちゃんは、二足歩行のヒトの骨盤の仕組み上、成長が十分とはいえない状態で生まれざるを得ない事情があります。
    • 2 赤ちゃんは生まれた段階で、すでに乳歯は生える準備が整い、永久歯でさえ生える準備を始めます。現実的には胎児期からのお口の成長も無関係ではありませんが、生まれたとはいっても成長が不十分な状態であるので、お口も日々の生活の中で育ててあげなくてはなりません。
    • 3 そうはいっても日々の生活の中で、本来お腹の中で成長させたかった様々なことと同じことはできるものでもありません。一方で赤ちゃんはどんどん成長していきます。お口のことでいえば、この段階からの成長が大切になります。お口の不具合に、その前段階、遺伝的もしくは胎児期の成長が関係していたとしても、赤ちゃん期ならば骨格にはまだ柔軟性があります。「生まれつきだから」は尚早かもしれません。
    • 4 様々な要因はあったとしても、口呼吸とならないこと、これが非常に重要になります。歯並び同様、ヒトの設計図では鼻呼吸となるように元々はなっています。多くの場合、様々な要因が積み重なり「口呼吸になってしまった。」となります。「口呼吸」はお口を育てるにあたって、最重要ワードと当院では考えます。
    • 5 口呼吸、つまり「舌が上顎につく正しい位置にない」ことには様々な弊害があります。特にお口まわりの成長において、上顎についた舌には中顔面の成長を正しい方向(上前方)へ導くという大切な役割があります。口呼吸によって、上顎から離れてしまった舌の役割を代わりに担う力はありませんので、その成長方向は下方へと向かい「中顔面の発達不良」へと繋がっていきます。
    • 6 大切なことは中顔面の発達不良とは「骨格的な問題」であるということです。この骨格の問題は、主に「歯並び」「鼻腔」「気道」に関わる問題の大きな原因となります。具体的にいえば、歯並びが悪い・ガミースマイル・慢性的な鼻炎や副鼻腔炎・喘息・いびき・睡眠時無呼吸などがその代表です。またお子様ごとにこの骨格の発達不良は様々な症状として顕在化しているとも考えられます。
    • 7 これらは本来、健全な成長を続け、健全な骨格であったならば起こらなかった可能性が高いということになります。この骨格の問題に対して、矯正治療を介して、可能な限り本来の骨格に戻してあげようというのがランパセラピーとなります。歯並びのことも呼吸のことも、問題があるならば原因がある。原因があるならば、その根本にアプローチをかけ、改善する。その対象が骨格である。ランパセラピーとはそれだけのものです。

    RAMPAによる成長誘導

    こどもの矯正とランパセラピー

    中顔面の発達不良

    こどもの矯正とランパセラピー
    こどもと女性の歯科クリニックロゴ

    こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント

    • 1 舌が正しい位置に付かなくなってくるのは、乳幼児期からの様々な生活習慣の積み重ね。特に近年は赤ちゃん期の首周りの筋緊張による影響が大きい。
    • 2 歯並びの問題も含め、最重要ポイントになるのが「舌が正しい位置(上顎につく位置)にあること」、もしくは「きちんとした鼻呼吸が出来ること」
    • 3 ある程度の年齢に達し日常化したこどもの口呼吸を鼻呼吸に変えるには、すでに骨格的なアプローチが必要な段階になっている場合が多い。
    • 4 呼吸と歯並びの問題は密接な関係にあることの理解が必要。ランパセラピーの視点から見れば歯列の矯正だけで完結する問題は決して多くはない。
    • 5 矯正治療でまず考えるべき目的は「歯並びを整える」なのか?「歯がきれいに生え揃うお口に整える」なのか?

    当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。

    どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、そのご負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして、今ひと時のリサーチをお願いいたします。ぜひ複数のクリニックでお話しを伺ってください。ご家庭で話し合われてください。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの最適解と当院は思います。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。

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    この記事を監修した人
    こどもと女性の歯科クリニック
    院長 岡井有子

    看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。

    こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピー

    こどもと女性の歯科クリニック

    AM8:30〜13:00 PM14:00~18:00(最終受付 17:30)
    休診日:金曜・日曜日

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