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姿勢の悪さに始まる子供の酸素不足とは?
口呼吸のデメリットとランパ(RAMPA)セラピー
矯正治療をメリットで語るっておかしい|歯科医だからこそできる骨格の根本改善
むし歯や不正咬合などの歯科的問題が、様々な弊害をもたらすと、歯科医師は歯科の重要性を啓発します。
ですが本当は、「こうなったら困るでしょ」と訴えるのではなく、健康的なお口って「こんなにいいことなんだ」と考えてもらいたいんです。その方が健康的です。
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特に日本は歯科へのハードルが高い傾向があります。初診の時点で、すでに深刻な状態である方が歯科は目立ちます。今あるお悩みの解決も医療の大切な役割ですが、それが解決しましたら、ぜひ未来のために医療をご利用ください。
統計は、矯正治療による生活の変化の実感です。もしも、矯正治療の必要がなく、健全なお口として育っていたならば、これらは当たり前の存在としてあったはずの心身の健康資産です。
そう矯正治療をメリットで語るっておかしいんです。
矯正治療によって得られるメリットで語られているものって、実は成長の過程で失われてしまったもの。今から新たに得られる利益ではなく、失ってしまった「大事な何か」を「どれだけ」取り戻せるかが矯正治療です。
子どもたちの多くは、日々の生活習慣の中、少しずつ何かを失っている可能性があります。きちんと歯が生えてくるように、お口は育てるものです。お子様が小さいうちでしたら、まだ間に合います。様子見はここまでにしましょう。
お口を育てるとは一生モノの健康資産
赤ちゃん期から健全に育ったお口から得られる未来と、矯正治療の結果から得られる未来は、必ずしも同じものではありません。矯正なんて必要にならないことがお子様にとってのベストです。
「そりゃ余計な手間と費用が‥」。違います。矯正が必要ないということは、きちんとお口が育っている。お口が育っているということは、きちんと鼻呼吸ができている。
鼻呼吸ができないのに、歯並びだけ整えても、まだ歯並びが悪くなる原因、「口呼吸」は残っています。重要なのは「鼻呼吸」です。歯並びは結果としてついてきます。
なぜ鼻呼吸じゃなきゃいけないのか?
鼻呼吸のメリットとして、フィルター機能、加湿・加温機能はよく知られています。一旦、通気性や通気量の問題は置いておきます。全く同じ量の空気を吸ったとしても、鼻呼吸と口呼吸では、身体に取り込む酸素量が変わります。
酸素摂取効率の差:鼻呼吸は「約10〜20%」高い
鼻呼吸は口呼吸に比べて、動脈血中の酸素分圧を約10〜20%上昇させるという研究があります。これらは、主に一酸化窒素の有無と、肺でのガス交換効率(気道抵抗)という2つの側面から明確な差があります。
- 「一酸化窒素(NO)」
鼻呼吸が、酸素摂取に有利な最大の理由は、副鼻腔で産生される一酸化窒素にあります。
メカニズム:鼻から息を吸うと、副鼻腔で発生した一酸化窒素が肺へ運ばれます。一酸化窒素には血管拡張作用があるので、肺の毛細血管が広がり、酸素が血液中へ移動する効率(ガス交換効率)が向上します。
口から吸った空気には一酸化窒素が含まれないため、肺の血管が十分に広がらず、同じ量の空気を吸い込んでも、血液に取り込まれる酸素量は少なくなります。
- 「気道抵抗」
鼻腔は口よりも狭いため、呼吸の際に適度な抵抗が生まれます。
メカニズム:抵抗があることで、呼気(吐く息)のスピードが抑えられ、肺の中に空気が留まる時間が長くなります。口をすぼめた呼気も一緒ですね。これにより、肺胞で酸素を吸収する時間が確保されます。
通常の口呼吸では抵抗が少なすぎるため、空気の出し入れが早くなり、「浅い呼吸」になりがちです。結果として、肺の下部まで空気が届かず、酸素摂取効率が低下します。
鼻を通ることで初めて、効率よく酸素が全身へ届きます。
日常的な口呼吸は、日常的な酸欠状態です。脳にも身体にもよいわけありません。そして、日常的な口呼吸=日常的に「舌が上顎についていない」。この状態が、顎の骨格にネガティブな変化を起こさせる「歯並びが悪くなる原因」です。
まずは姿勢に気をつけてほしい
舌骨(ぜっこつ)という骨があります。この骨は、人間の身体の中で唯一、他の骨に接していません。すべて筋肉によって支えられている「宙ぶらりん」の骨です。
ですので、舌骨を取り巻く筋肉のバランスでその位置は変わります。パソコン作業を思い出してみてください。
首や肩が「固まった」。筋肉のコリ、緊張という状態です。
舌骨は、「肩甲舌骨筋」という筋肉で、首・肩まわりと繋がっています。肩甲舌骨筋の過緊張によって何が起こるのか?そう、舌骨の位置が下がります。
では、舌骨の位置が下がると何が起こるのか?「舌と下顎」が下がります。つまり、半強制的な口呼吸です。
ですが、口呼吸自体そもそも「酸素摂取効率が悪い」。そして、下がった舌と下顎は、気道を圧迫し、空気の通り道まで狭くなる。身体としたらどうにも息苦しい。せめて通り道を確保しようとした結果が、「受け口」や「さらなる姿勢の悪さ」です。
口呼吸=結局酸素不足
鼻呼吸の方がいいと分かっていても、なぜか息苦しくなると口が開いてしまう。これが困りものです。
鼻の穴は口に比べて小さく、空気を取り込む際の抵抗が大きくなります。鼻の通りが悪かったり、運動などによって多くの酸素が必要になったりすると、脳は「効率的な呼吸=鼻呼吸」よりも、「手っ取り早く、量を吸える口呼吸」を選んでしまいます。酸欠の身体の応急処置です。
身体としても、鼻呼吸の方がいいのは分かっているのに、「楽に吸える口呼吸」を優先してしまうんです。でも口呼吸は効率が悪い。息苦しいというサインは、結局口呼吸を選ばせてしまうんですね。悪循環であり、矛盾です。だからなかなか治らない。
そして、ここが人間らしいところ。使わない機能は退化してしまいます。口呼吸がデフォルト設定になってしまうと、鼻呼吸で必要な機能は低下していき、さらに鼻呼吸がしづらい身体に書き換えられてしまうんです。これを改善するとなると、鼻呼吸ができる環境を整え直し、再度設定を上書きしなくてはいけないんですね。
口呼吸=舌が上顎についていない
単なる悪癖だった口呼吸も、姿勢の悪さに端を発する口呼吸も、結局その悪循環からは簡単には抜け出せずに、日常的な口呼吸へ移行します。
そうなると、口呼吸、つまり上顎に舌がついていない状態は、中顔面の下方成長(鼻副鼻腔の狭小化)を導き、そう簡単には治らない口呼吸と根本的には治らない歯列の悪化へと繋がります。だから、歯列だけでもなんとかしようと「歯列矯正」が存在するんです。
①口呼吸自体が呼吸機能として問題→口呼吸の日常化
②舌が上顎についていない(口呼吸)ことで、中顔面の下方成長から骨格の劣成長へ(※)→骨格が原因の「口呼吸と不正歯列」
(※)上顎についた舌の役割とは、中顔面(上顎)を下から支え、正しい成長方向「上前方」へ導くガイド役。支えのなくなった中顔面は「重力」の影響から、下方に成長方向を変えます。
「顎の小ささ」「遺伝(による骨格的な問題)」「出っ歯・受け口・ガミー」‥‥骨格の問題とそのまま言われています。骨格の問題とは、成長の問題です。となると、「様子見・経過観察」という判断は矛盾しています。「歯を数本抜けば、歯列は整えられる」、こう考えている矯正歯科は少なくないです。「抜歯が何を意味するのか?」を考えなければそうなります。専門家である歯科医師がそう言うんです。親御様は、「そんなモノか‥」と思います。
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当院にセカンドオピニオンを求めて来られる親御様もいます。当院の見解を持って他にセカンドオピニオンを求める親御様もいます。ランパセラピーは、歯科的見地から呼吸を考える、医科歯科の垣根を越える存在です。通常の矯正歯科では、俯瞰の骨格まで見ていません。つまり、頭蓋骨の問題として考えてくれるとは限りません。「歯を数本抜けば、歯列は整えられる」と考えている歯科医師は少なくないんです。無論、そのリスクを知っていたら「抜歯の判断の責任は非常に重いもの」です。ランパセラピーのセカンドオピニオンを求められるならば、歯科よりも耳鼻科や小児科の先生の方がよいかもしれません。
先に当院で検査を受け、他院でもセカンドオピニオンを受けられた親御様から伺ったお話しですが、その歯科医師から「ランパは大変だよ」と説明されたそうです。子どもの将来と自身の言葉への無責任さを感じれたそうです。その親御様は「大変だから」という言葉に違和感を覚え、「大変だけど、やるべき」と当院に改めて来られました。
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矯正治療をメリットで語るのはおかしいとお伝えいたしました。「鼻呼吸のメリット」も同じです。そもそも、鼻呼吸となるように身体の設計図はできています。日常的な口呼吸が、さらに鼻呼吸がしづらい身体に書き換えてしまった。「歯並び」も「鼻呼吸」も、メリットで考えるから、様々な負担と天秤にかけてしまいますが、元々は手にしていた健康資産です。抜歯の判断とは「損切り」、つまり「歯列だけでもキレイに‥」になります。そこであきらめる何かとは、「数本の健康な歯」だけではありません。
きちんとお口が育ち、歯列を整える程度で済めば、審美だって十分に治療の動機です。ですが、その原因を明確にしないと、呼吸の問題を見過ごしてしまう可能性があります。
口呼吸を放置してよい理由はないです
中顔面(上顎)が下がり、鼻副鼻腔や気道が狭くなってからでは、その改善は容易ではありません。まだ、骨格の問題へと移行する前でしたら、何とかなるかもしれません。健康的なお口って「こんなにいいことなんだ」と、本格的に悪くなってしまう前に、考え方を変えてみてください。口呼吸放置のリスクと釣り合うものはありません。
鼻呼吸ができていればどんな未来が描けるでしょうか?
矯正治療の必要もなく、自然できれいな歯並びに生え揃います。よほどのことがなければ、大人になっても矯正治療の必要はないですね。それなら審美矯正もありです。
歯並びに対してのコンプレックスもないので、大きな口を開けて笑える明るいお子さんに育ちそうです。自信もあるのでしょう、発音も明瞭でハキハキ話せます。初対面の方もよい印象を持ってくれます。
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歯磨きもしやすいので、きちんとしたケアさえできていれば、むし歯や歯周病のリスクも少ないです。予防・検診以外に歯医者に通う必要性もそう無さそうなので、時間的・身体的また経済的な負担も少なくなりそうです。
おじいちゃんおばあちゃんになっても、入れ歯やインプラントは必要ないかもしれません。きちんと揃った自分の歯で生活する。これは、「寿命・健康寿命」に関わります。
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舌もきちんと正しい位置にあり、呼吸機能も健全です。風邪も滅多にひきません。
姿勢もいいですね。鼻もつまっていませんし、いびきもかきませんので、しっかりとした睡眠もとれています。勉強や好きなことも集中してできているようです。
お顔の骨格も健全に成長しています。歪んだり、間延びしたりすることなく、ご両親にもらったいいお顔立ちになっているはずです。
健康なお口のために
これらはすべて、健全に育ったお口からみえてくる未来です。
一方で、そうとも限らないといわれればその通りです。しかし、赤ちゃんの頃からまるい顎に育てて、鼻呼吸の習慣を得ることで、これだけのことが、より現実味を帯びた未来としてみることができます。ですが、口呼吸というきっかけは、せっかくの身体の仕組みを悪循環へと向かわせます。
野生動物に「歯並びが悪い個体」が見当たらないのは、「鼻呼吸の徹底」が大きな理由だそうです。ワンちゃんが「はぁはぁ」しているのも、呼吸は「鼻」、舌は「ラジエーター」の役割を果たしています。それでも、野生動物よりもペットや家畜の方が「歯並びが悪い個体」が多いそうです。生活習慣・生活環境が無関係とは思えないですね。
鼻呼吸の徹底さえ叶えば、そもそも矯正治療とはそんなに必要なものではないのかもしれません。
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とはいえです。ある研究によると、縄文時代こそ20%程度であった不正咬合の傾向がある人の割合は、弥生時代には50%程度となり、以降は数値を上下しながら現代へと続いています。近年は約60~70%と高い割合となっていますが、一定割合の不正咬合は遠い昔からありました。
これらの研究が直接関係するわけではありませんが、現実的にお口を上手に育てることはそう簡単にはいきません。まるい顎に育ててあげられる一つ一つの習慣は、生活の中でのことです。そのすべてに気を付けることは少々難しいお話しです。それでもちょっとずつの積み重ねでいいと思います。結果は少なからず違うはずです。
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例えそれが十分に間に合わなかったとしても、ランパセラピー(矯正治療)を介して、かなりの部分を取り戻すことも可能です。
ただ、矯正治療ごとにその目的は異なります。少なくともランパセラピーを通してしかみえない未来もあると、その違いを頭の片隅に置かれてください。
装置の見た目
以下の統計は傾向としてお考えください。
※矯正治療の費用や保険適用の有無などその条件は国によって様々です。単純比較できません。
「見た目がなぁ…」って、なぜでしょう?日本人としては非常に分かる気持ちです。ただし、それと天秤にかけるのは「お子様の未来」です。
矯正装置をつけた見た目に対する考え方にはお国柄もあるようですが、未来を見据え、お子様の矯正治療に取り組もうとの考えに水を差すようなものはそうあるものではないはずです。
しかしそれは、まだ小さいお子様にはなかなか難しい理解かもしれません。矯正をした未来としない未来を比べることはできませんが、少なからずお子様の未来は違うはずです。
RAMPAの装置では、就寝時やおうち時間で装着時間を確保していただければ、学校に行っている間などは外付け装置は外してもらって大丈夫です。
当院に限っていえば、RAMPAの外付け装置をつけながら、歩いて通院されるお子様も少なくありません。クリニックに来れば仲間もいますしね。
お子様にとっては始めてさえみれば、「見た目」はそう大きい問題ではないのかもしれません。矯正治療を好奇の目で見られることも、「今はない」と伺います。
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「お口を育てる」と一口に言っても、人間はまだお腹の子どもが未成熟のうちに出産しなくてはならない事情があります。赤ちゃんが最優先なのはどこのご家庭でも同じですが、生活となると様々なご事情もあります。しかし、「赤ちゃんなりの姿勢の悪さ」から、口呼吸の日常化の可能性は始まります。
せめて可能な限りの手助け、お口のことでいえば矯正治療の可能性や負担は少なくしてあげたいものです。キーワードは「鼻呼吸」です。
まとめ:ランパセラピーの基礎知識
ランパセラピーの基礎知識をお伝えします。ただし治療のことですので、ご検討の際は、他の矯正治療や、実際に治療をお願いされるクリニックまで含め、ご納得のリサーチをされてください。
術式は同じでも、その価値を引き出すのは、ドクターと親御様の熱量です。
「ランパセラピーとランパ矯正って違うんですか?」
このようなご質問をいただくことがあります。
お子様の矯正治療をリサーチする中で、ランパセラピーに辿り着いた親御様が、矯正相談へと足を運んでくださいます。実際に、「矯正治療を調べるなかで見つけた」や「こんな治療があると人づてに聞いた」など、その経緯も気になるポイントも様々です。皆さん真剣にお子様の将来を考えていらっしゃいます。
お答えはこうなります。ランパセラピーとランパ矯正は、基本的には「同じ」です。
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「基本的に」とは、この治療をどう表記しているかは別にして、医院の考え方として、少しづつ異なる部分があるとの意味になります。
例えば、当院では、RAMPA(外付け装置)による治療は、十分な結果を得られるまで、3クール目、4クール目と実施することも少なくありません。RAMPAによる骨格の変化は、歯並びに留まることではないからです。「儲けるため」と心無い言葉をかけられたこともありますが、儲けたいだけなら、もっとやりようがあります。信頼関係が不十分だったことを振り返るきっかけの一言でもありました。
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また、歯列を整える工程は別の治療とされている医院、ランパセラピーを歯列矯正として考えている医院、同じ治療を扱っていても考えは様々です。
本来の目的からいえば、ランパセラピーは呼吸や骨格の改善のための治療であって、歯列の改善はその副産物です。ご検討の際には、医院の考え方などもあわせてご確認ください。治療の目的、「ゴール」に深く関係します。
鼻腔や気道がどれだけ拡がり、骨格の変化がどうなったのか?きちんと画像と数値でご確認ください。
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その歴史や存在意義を紐解いていけば、正しくは「RAMPA THERAPY/ランパセラピー」です。
つまり、RAMPAという装置やシステム、または矯正治療を通した「療法」なんですね。ランパセラピーの源流であるバイオブロックも「バイオブロックセラピー」とされています。学会発表の場でも、「ランパ矯正」の文字はありません。
以下は2025年、当院の学会発表の演題タイトルです。
- A case study of RAMPA therapy in a patient with Class I anterior crowding and asthma and chronic sinusitis: CT image evaluation
【クラスIの前方部叢生と喘息および慢性副鼻腔炎を有する患者に対するRAMPA療法の症例研究:CT画像評価】
- Improvement of respiratory symptoms in a child with Antley-Bixler syndrome treated with RAMPA therapy
【RAMPA療法によるアントレー・ビクスラー症候群の小児の呼吸器症状の改善】
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「こどもと女性の歯科クリニック」では、できる限り、ご本人や親御様には「ランパセラピー」を正しく理解していただきたい。
「ランパセラピーとランパ矯正」は、私の知る限り、同じものではありますが、当院では「ランパセラピー」=「ランパ療法」とお伝えをいたします。
「ランパ矯正」とは、個人的には単なる言葉の問題。自然発生的に何となく広まってしまった。元々は深い意味はない、でも矯正の方がわかりやすい、そんなところではないでしょうか。となると、「ランパセラピー」より、「ランパ矯正」で発信した方が、マーケティング的にはユーザーさんに届きやすいなんてことが、医院側で起こります。
現実的にランパセラピーという言葉は知らずに、「ランパ矯正」で検索や認知をされている方もいます。お伝えすることも大切なことです。ランパ矯正という言葉を安易に否定するものではありませんのでご理解ください。当院も「ランパセラピー(ランパ矯正)」とは表記しています。
- 1 本来、ヒトの遺伝子では、歯はキレイに生えてくるように設計図はできています。しかしヒトの赤ちゃんは、二足歩行のヒトの骨盤の仕組み上、成長が十分とはいえない状態で生まれざるを得ない事情があります。
- 2 赤ちゃんは生まれた段階で、すでに乳歯は生える準備が整い、永久歯でさえ生える準備を始めます。生まれたとはいっても、まだ成長が不十分な状態であるので、お口も日々の生活の中で育ててあげなくてはなりません。ただ、それがなかなか難しいので「顎が小さい子」が多くなってしまうのです。
- 3 日常生活の中で、本来お腹の中で成長させたかったことと同じことができるものでもありません。そうはいっても、赤ちゃんはどんどん成長していきます。生まれてから1歳までの成長が、この先の発達においての基礎になります。ただ、赤ちゃん期の骨格には柔軟性があります。お口の不具合に、生後の成長はもちろん、遺伝的もしくは胎児期の成長が関係していたとしても、「仕方がない」は尚早かもしれません。
- 4 さまざまな要因は一旦ともかく、「口呼吸とならないこと」が非常に重要です。歯並び同様、ヒトの設計図では鼻呼吸となるように元々はなっています。多くの場合、さまざまな要因が積み重なり、「口呼吸になってしまった」となります。「口呼吸」は、お口を育てるにあたって、「最重要NGワード」です。
- 5 口呼吸、つまり「舌が上顎につく正しい位置にない」ことには多くの弊害があります。特に、上顎についた舌には、中顔面の成長を正しい方向(上前方)へ導く大切な役割があります。口呼吸によって、上顎から離れてしまった舌の役割を代わりに担う力はありませんので、その成長方向は重力の影響から下方へと向かい、「中顔面の発達不良」へと繋がっていきます。
- 6 大切なことは、中顔面の発達不良とは「骨格の問題」だということです。そしてその要因が口呼吸である以上、どのお子様にも起こり得るということでもあります。この骨格の問題は、主に「歯並び」「鼻腔」「気道」に関わる問題の共通原因となります。具体的にいえば、歯並びが悪い・ガミースマイル・慢性的な鼻炎や副鼻腔炎・喘息・いびき・睡眠時無呼吸などがその代表です。
- 7 これらは本来、健全な成長を続け、健全な骨格であったならば、起こらなかった可能性が高いということです。この骨格の問題に対して、可能な限り、本来の骨格に戻してあげようというのが、この矯正治療です。歯並びのことも、呼吸のことも、問題があるならば原因がある。原因があるならば、その根本から改善する。その対象である骨格に実効的にアプローチができる。これがランパセラピーです。
RAMPAによる成長誘導
中顔面の発達不良
顎顔面口腔育成治療と顎顔面矯正
「顎顔面矯正」と呼ばれる矯正治療を行っているクリニック様もございます。ランパセラピーが「顎顔面口腔育成療法」の枠内にあることから、顎顔面矯正とランパセラピーを混同される方がいらっしゃいます。顎顔面矯正とランパセラピーは全く異なる治療ですので、ご検討の方はご留意ください。
顎の骨格の劣成長は、呼吸機能の低下から、脳や身体の酸素不足を招きます。ランパセラピーは他の矯正と何が違うのか?今まで悩んでいた小児矯正に関する疑問。ランパセラピーの中に、その答えが見つけられるかもしれません。
治療法とクリニックの選択は、矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。必ずご納得ができるまでリサーチをされてください。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくありません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都府内産婦人科等勤務を経て、大阪歯科大学に入学。大阪歯科大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。歯学博士。
2017年東京都港区麻布十番にランパセラピー専門医院「こどもと女性の歯科クリニック」開院。
2024年「医療法人社団セントワ」開設。同法人理事長就任。
日本小児歯科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・日本ダウン症学会所属。
RAMPA研究会・赤ちゃん歯科ネットワーク所属。
2025年European Conference on Dentistry and Oral Health(パリ)、MENA Congress for Rare Diseases(アブダビ)などにおいて、ランパセラピー学会発表。
プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。
こどもと女性の歯科クリニック
AM8:30〜13:00 PM14:00~18:00(最終受付 17:30)
休診日:金曜・日曜日
〒106-0046 東京都港区元麻布1-4-27-101
TEL:03-6435-2281
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