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赤ちゃんの歯医者っていつから行けばいい?歯医者デビューの時期について
はじめに
こどもと女性の歯科クリニックでは、「赤ちゃん歯科」を設けています。
いつから通っていただいても早すぎることはありません。かといって、特別な診療を行うわけではありません。赤ちゃんの成長期は、大人の手助けがまだまだ必要な段階です。
赤ちゃんの成長のために知っていただきたいこと。それを保護者の方にお伝えするための赤ちゃん歯科なのです。
当院では、マタニティ期のママさんや生後2週間からの赤ちゃんもいらっしゃいます。赤ちゃん歯科は、お子様の「これから」を見据えた診療となります。
近年は、歯科に限らず予防に関する意識が高まっています。大変良い傾向だと思います。赤ちゃん歯科の具体的な目的の一つが「矯正治療が必要にならないための予防」です。しかしここに「歯並びに関する予防」との意味合いは半分になります。
当コラム内での矯正治療についてのお伝えはいたしませんが、後ほどで結構です。ぜひ他コラムもご覧いただき、予備知識として頭の片隅に置かれてください。
大切なお子様が生まれてきてくれました。しかし人間の赤ちゃんは、まだ成長が不十分な段階で出産を迎えなくてはならない事情があります。
全てはこれからです。矯正治療が必要のないお口に育ててあげてくださいね。「赤ちゃん歯科」でお手伝いいたします。
※具体的なお話しに関しては、ご相談時にさせていただきます。万一、文面でのご理解に齟齬がありますとなにより赤ちゃんが困ります。また実際に赤ちゃんを拝見し、親御様のお話しを伺うことも大切なことです。ご理解をお願いします。
赤ちゃんの歯医者っていつから?
「赤ちゃんの歯」に注目しますと、具体的に歯医者デビューの時期は生後6か月頃からとお考えの親御様や歯科医師がいらっしゃいますね。この場合はむし歯や予防に重心を置いていることが多いです。
しかし「赤ちゃんの顎の成長」に注目した場合は異なります。この観点からいえば、いつから通っても早すぎることはありません。
当院の答えでは「今から」です。
将来的に歯医者が苦手にならないために、早くから歯医者に慣れることも大切なことですしね。赤ちゃんのむし歯や予防はもちろん大切なことです。段階を踏み、お伝えいたします。
赤ちゃんの歯が生えてくるのを待つ必要はありません。赤ちゃんのお口の「これから」にできることは、いつからでもあります。
赤ちゃんは、特に1歳までの過ごし方が大切になります。赤ちゃんの歯医者は歯が生えてからと考えていますと、そのうちの約半分の期間は自己流となりかねません。
こどもの成長はそれぞれのペースこそあれ、止まることはありません。将来、お子様に矯正治療が必要にならないようにできることからはじめてみてください。
日々の生活のなかでお伝えしたことの全てを実践するのは大変かもしれませんが、「赤ちゃん歯科」の趣旨は「それらを必ず行ってください。」ではなく「それらを知ってください。」です。
お口の成長の大半は日々の生活習慣の積み重ねによります。例え結果的に矯正治療が必要になったとしても、その負担は何もしないよりは軽くなる可能性が高いです。親御様の行いが無駄になることはありません。
例えば赤ちゃんの歯ブラシ
赤ちゃんのご相談の際に「歯ブラシはいつから?」とのご質問もいただきます。お子様の歯が生え始めたら、親御様・お子様ともに、練習も含め歯ブラシの習慣を視野に入れなくてはなりませんが、やっぱり最初はお口に異物が入ることを嫌がる赤ちゃんは多いものです。
むし歯の原因である口内細菌はもともと赤ちゃんにはいません。かつては1歳半くらいになると伝播するとの研究がありましたが、近年ではもっと小さな時期から伝播するとの研究もあります。
いずれにしても、赤ちゃんは何かのきっかけでむし歯菌をもらってしまいます。赤ちゃんにごはんを「あ~ん」してあげるのは、親としても幸せな瞬間ですが、ご自身の箸やスプーンではなく、赤ちゃん用に用意してあげてください。
…までは結構ご存じの方も多いですが、実はお父さんお母さんが「フーフー」してあげるのも、むし歯菌の感染につながります。食器の共有に限らず、むし歯菌の感染を導いてしまう場面は案外多いものです。
まだ母乳だけなのにむし歯になったとのお話しも伺います。まず母乳には乳糖という糖質が含まれます。そして何より早い段階からむし歯菌が伝播してしまっているというお話しになりますので、乳幼児期は特にお気を付けください。
最近の親御様は知識がありますので気を付けられる方も多いですが、おじいちゃんおばあちゃんの世代になりますと、悪気なしにされてしまうことがあります。食事の場をはじめ、その場でご注意されるのも気まずいものです。事前にお話しされるといいですね。
今まで歯医者には行ったことがないとしても、お子様の歯の生え始めをきっかけの一つとして、ぜひかかりつけの歯医者さんを見つけられ、正しい歯磨きを教えてもらってください。親御様もお子様も少しずつ歯磨きに慣れていきましょう。
本格的に歯磨きを始める前に、まずは歯ブラシに慣れるという意味でも、当院ではお口のマッサージからお伝えしています。
これは「なるべく矯正が必要とならないように、お口を上手に育てよう。」という当院の考えにも繋がってきます。
まとめ
ワイヤー(ブラケット)などの本格的な矯正治療が必要になる前に、お口を育てようとの考えによる矯正治療がいくつかありますね。
当院でお伝えしているのは、さらに前の段階、赤ちゃんの時期からお口を育てていこうというお話しになり、「治療」とは少々ニュアンスが異なります。「口育/こういく」という言葉で表現されます。
どうしても矯正治療になりますと、矯正器具やトレーニングが必要となり、お子様や親御様のご負担も増えてきます。できることならば、矯正治療をしないに越したことはありませんよね。せめて、なるべく負担の小さいようにと考えるのが親心です。
歯並びが悪くなってしまうのは主に骨格的な要因です。その骨格的な要因は、主に赤ちゃんの時期からの生活習慣によります。
となりますので、「なるべく早いうちから対応をされることがいいですね。」と当院ではお伝えをさせていただいています。
歯医者に来られるのに、赤ちゃんの歯が生えている・生えていないは気にされなくて大丈夫です。全ては今からです。
最後に…
赤ちゃんの歯の始まり、「歯の芽」ともいわれますが、乳歯の歯胚は妊娠7週目頃からでき始めます。ママのお腹で成長を積み重ね、生まれるころにはすでに乳歯は生える準備が整っています。永久歯でさえ、すでにこの頃から形作られるんです。
生える準備は整っているのですから、きちんと生えてこられるように、実際に生え始めるまでにお口を成長させてあげなくてはいけませんね。
生える場所が足りないではかわいそうですもんね。
こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント
- 1 舌が正しい位置に付かなくなってくるのは、主に赤ちゃん時代からの様々な生活習慣の積み重ね。特に近年は赤ちゃんの首周りの筋緊張による影響が大きい。
- 2 歯並びの問題も含め、最重要ポイントになるのが「舌が正しい位置(上顎につく位置)にあること」、もしくは「きちんとした鼻呼吸が出来ること」
- 3 ある程度の年齢に達し日常化したこどもの口呼吸を鼻呼吸に変えるには、すでに骨格的なアプローチが必要な段階になっている場合が多い。
- 4 呼吸と歯並びの問題は密接な関係にあることの理解が必要。ランパセラピーの視点から見れば歯列の矯正だけで完結する問題は決して多くはない。
- 5 矯正治療でまず考えるべき目的は「歯並びを整える」なのか?「歯がきれいに生え揃うお口に整える」なのか?
当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。
当院・他院に限らず、ホームページ等で記載がされている、「〇〇の原因」や「〇〇を改善するためには?」などは最終的に一つの答えに収束するものではありません。クリニックごとの考えの優先度・重要度などにより記載が異なってまいります。実際には患者様それぞれに答えはいくつもございます。
どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、ご家庭の負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして今ひと時のリサーチをお願いいたします。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの答えと存じます。当院から精一杯お伝えさせていただくならば「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。
こどもと女性の歯科クリニック
AM8:30〜13:00 PM14:00~18:00(最終受付 17:30)
休診日:金曜・日曜日
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