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ランパセラピーの治療期間はどれくらい?
矯正治療の流れと矯正装置の役割を解説
ランパセラピーのスタートからゴールまでの期間|治療の流れと使用する装置
ランパセラピーの治療期間と使用する装置をご説明いたします。
矯正相談から資料取りを経て、治療の意思確認をいただきましてから、装置は製作をいたします。実際の矯正治療のスタートは、意思確認のご連絡から2週間~1カ月後が目安です。
RAMPAの装置に限らず、矯正装置を好んでつけたいお子様はなかなかいません。将来のためにと話しても、その理解も簡単ではありませんね。
しかし親御様からしたら、矯正治療の価値とお子様の将来を思えばこそのご選択と思います。ここは当院と親御様の腕の見せ所と考えてまいりましょう。
ご希望があれば装置のデコレーションも選んでくださいね。クリニックでもお手伝いできます。
矯正相談
個別相談時には以下のことを行います。グループ相談時には一部割愛させていただく場合もあります。
- カウンセリング:お悩みやご希望などをお伺いします。
- ランパセラピー治療説明:資料と症例からランパセラピーという治療をご説明します。
- 口腔内チェック:目視でお子様のお口の状態を確認し、お子様の現状をご説明します。むし歯の有無や萌出スペースも確認します。
- CT撮影:鼻腔容積・気道容積・骨格の状態を確認し、お子様の現状をご説明します。
治療前検査(資料取り)
矯正相談にてご納得がいただけましたら、治療前検査へと進みます。以下の項目を中心に、お子様の状況を詳細に分析し、ご説明いたします。
治療前検査の主な項目
- 鼻副鼻腔容積・気道容積計測=呼吸時の通気性
- ANSとPNSの距離計測=口蓋のひずみ
- S-Nの距離計測(脳頭蓋底のセラ点とナジオン点の距離 ※この距離が短いほど受け口傾向です)
- ゴニアルアングル計測=下顎のひずみ
- 顔の左右差・頭蓋骨の形状確認
- 頭位・舌位・頚椎の形状確認
- 歯の萌出スペース確認
- 睡眠時無呼吸AHI計測・鼻腔通気度計測
- 3Dによる顔貌と口腔内撮影など
治療前検査は当院でランパセラピーを行うにあたって必要な検査です。治療の進捗確認や治療終了の判断基準にもなります。これらの検査は、既存の矯正歯科では不要な検査もありますが、呼吸の改善や根本治療を謳う矯正治療、ランパセラピー施術院ならば、必要な検査です。何をどこまで検査されているか確認されてください。先生が「何をみているのか」を親御様が知る機会です。当院では不必要な検査はしていません。これだけの検査を行い、ご説明を行いますので、お時間を頂戴いたします。
治療前後の気道容積の変化イメージ
顎の骨格の劣成長は、呼吸機能の低下から、脳や身体の酸素不足を招きます。ランパセラピーは他の矯正と何が違うのか?今まで悩んでいた小児矯正に関する疑問。ランパセラピーの中に、その答えが見つけられるかもしれません。
ランパセラピーの治療の流れ
RAMPAとは、歯を動かし、歯列の審美を目指す治療ではありません。骨格の発達不良が、歯列の問題の根本原因との考えに基づき、直接骨格へとアプローチをします。
キーワードは「上顎骨の上前方方向への成長誘導」です。
では、なぜそれが必要なのか?
答えは、難しくありません。それが本来あるべき骨格の成長の形だからです。だから元々歯並びが悪くない方がいるんです。
- 「日本人の約60%~70%に何らかの不正咬合の傾向があると指摘されています」
歯科では似たような表現を用い、「こんなにいるんだ、他人事ではないかもしれない」とそのデメリットを啓発します。ですが、アプローチするのは「歯並び」です。
- 「日本人の約30%~40%には大きな不正咬合の傾向は認められない」
裏を返すとこうなります。RAMPAが目指すのは、こちら側の人々です。これらの人たちは、骨格も健全に育ち、呼吸にも大きな問題がない可能性が高い。「歯並びと呼吸」はセットなんですね。
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骨格がイレギュラーな成長をしてしまったから、歯並びは悪くなります。
だったらそれをなんとかして、正しい形に戻してあげたい。そのために必要なのが「上顎骨の上前方方向への成長誘導」とRAMPAの装置です。成長さえ叶えば、歯は自然と並ぶようにできています。
ただお子様ごとに症状は異なり、その工程も異なります。治療は複数の装置を用いたオーダーメイドとなります。
以下は基本的な流れではありますが、一例としてご理解ください。
1:口腔内装置にて顎の形を整えます
- 装置:MHE(口腔内装置)
- 期間:約45日間
- 目的:目的は主に2つあります。一つが矯正装置自体に慣れること。もう一つが、可能な限りの中で顎の形を整えていくことです。
これは他コラムで記載されている「さんかくの顎」を「まるい顎」に変化させる工程になりますが、この工程でそのすべてを行うわけではありません。ほとんどのお子様にとって矯正治療は初めての経験です。比較的負担の少ない口腔内装置からまずは慣れていきましょう。
※特に記載はしていませんが、正しいお口に整えるためには口まわりの筋力も必要です。その必要性がある場合は、適切な時期にお口のトレーニングも並行して行います。
2:RAMPAによって上顎骨の成長誘導を行います
- 装置:RAMPA(口腔外フレーム)・ROA(RAMPA用口腔内装置)・Active Bow(RAMPAとROAを連結する器具)
- 期間:約90日間(口腔内装置は常時装着)
- 注意事項:骨格の成長方向を誘導する目的があるため、毎日の装着時間のお約束をお願いします。
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6歳まで⇒10時間装着×90回 -
7歳~12歳⇒12時間装着×90回 -
13歳以上⇒15時間装着×90回
装着時間をお守りいただけた日を1回とカウントしますが、90日を大きく超えた90回ですと効果は著しく減少します。1日の内の装着時間は連続ではなくても大丈夫です。寝ている時間+αでお考えください。
3:RAMPA(2回目)
同様の過程をもう一回行います。
- 注意事項:他のRAMPA施術院では、2回以上のRAMPAは追加の扱いとなる場合があります。しかし、お子様の将来を考えるならば、当院ではRAMPAの2回目はどうしても必要な過程と考えています。当院ではRAMPA2回までは費用に含まれています。
RAMPAの1回目と2回目では、口腔内の装置と使用の目的が変わります。表面上は同じ工程の繰り返しですが、「顎の拡大方向」が異なります。
治療に関して、お子様やご家庭の負担は小さなものではありません。「RAMPA1回じゃ無理なんですか?」とご質問をいただくことがあります。率直に申し上げて、RAMPA1回では満足のいく結果とはならないことがほとんどです。
これは他院なら1回でやってくれるRAMPAが、当院だと2回必要になるとの意味ではありませんのでご注意ください。1回目と2回目では治療の目的も異なります。
それくらい子どもたちのお口の状態は深刻である場合が多いです。子どもたちもご家庭も頑張ってくれているんです。可能な限りまでは、「ちゃんと治してあげたい」。そう考えています。ご家庭によってはお約束以上の努力をされ、当院も驚くほどの変化を見せてくれています。
状況によっては、RAMPAは長期間にわたる治療になる可能性があります。その間に、ご家庭のライフスタイルが変わられることもあると思います。また、治療の進捗によっては、3回目以降が必須との判断もあります。目的を持たれて大変な努力であったと思いますので、医療側とご家庭で共有ができる改善水準まではご協力をお願いします。
タイミングごとに、治療の進捗はお話しいたします。RAMPAの負担が小さくないことは、私どもも理解はしているつもりです。仮に3回目以降のRAMPAの有用性を医療側が感じたとしても、ご家庭のご意向は十分に考慮させていただきます。その上で今後のお話しをいたしましょう。
3.5:その他の使用装置
4:歯列を整えます
土台が出来上がり、歯列を整えられる段階に入りましたら、歯列の調整へと移行します。
※永久歯が生えるまで待つ期間が発生する場合があります。
- 装置:歯列調整用装置 ※口腔外装置は使用いたしません。
- 期間:約1年〜2年
歯の交換期が終わり、歯列が整いましたら、ランパセラピーは終了です。
※保定期間に移行する場合があります。
私たちの大切な考え
当院のランパセラピーでは、あくまで土台を整えた中での自然な歯並びをゴールとし、歯列を調整していきます。最終的にワイヤー(ブラケット)やマウスピースを使用する歯列矯正は計画にはありません。大変なご負担と努力で積み上げた治療結果である「せっかく上げた上顎」を、ワイヤー等の使用によって、再び下げてしまう可能性があるからです。
必ず下がるとは申しません。当院でもそのリスクをご説明した上で「やむなく」ワイヤーを使用することもあります。
ただ、ご家庭とお子様のこれまでの努力を考えた場合、当院にはそれらの積極的な使用の判断はできません。例え、それらの使用をしなくても、一歯科医師、そして一母親としても十分にきれいな歯並びだと当院は考えます。最優先すべきは「呼吸」です。
5:アフターフォロー
当院では、20歳まではアフターフォローしてまいります。経過観察のため、3か月から半年に一度程度の通院をお願いします。
矯正治療は終わりかもしれませんが、歯並びを維持するためには生活習慣の改善も必要です。ここを疎かにすると、再度歯並びが乱れる可能性は十分にあります。従来型の矯正治療より可能性は低いですが、ランパセラピーだから絶対大丈夫というわけにはいきません。ぜひご家庭の努力が無駄にならないようにお気を付けください。
今まで特に問題がなかったのに、コロナ禍のマスク生活で歯並びが悪くなってしまう方が大変増えました。骨格から整えたとしても、あり得ることなのだと頭の片隅に。
ランパセラピーをマンガでご紹介
まとめ:矯正治療は明るい未来からの逆算
期間に関しては、あくまで適齢期、かつ経過が順調な場合を想定しています。またRAMPAを取り扱う医院ごとの考えにより異なる場合もあります。
多くのお子様には矯正治療は初めての経験です。お子様の気持ちや装置への慣れなど、治療の軌道に乗るまで時間がかかることも多いですので、焦らずに余裕をもって見守ってください。
また矯正開始時のお口の状態や進捗によっても、期間は変動いたしますのでこちらもご了承ください。
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年齢によっては、永久歯が生えてくるまで待つ期間が発生する場合があります。その際は、拡げた顎が後戻りしないように保定的に装置を装着いたします。このような理由から、治療期間が長期になってしまうこともあります。
治療期間を通してのお願いではありますが、期間中は装置の調整のため2週間に1度程度の通院が必要になります。
また装置の付け始めや装置の交換時など、痛みや違和感を感じる場合があります。そのような場合は無理をせず、ご相談をお願いいたします。
ご注意事項はお伝えさせていただきますが、「がんばろう!」だけではそれこそ大変です。
変わるであろう未来を楽しみに、変わっていく今を楽しく進んでまいりましょう。
治療法とクリニックの選択は、矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。必ずご納得ができるまでリサーチをされてください。当院から精一杯お伝えさせていただくならば、「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくありません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都府内産婦人科等勤務を経て、大阪歯科大学に入学。大阪歯科大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。歯学博士。
2017年東京都港区麻布十番にランパセラピー専門医院「こどもと女性の歯科クリニック」開院。
2024年「医療法人社団セントワ」開設。同法人理事長就任。
日本小児歯科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・日本ダウン症学会所属。
RAMPA研究会・赤ちゃん歯科ネットワーク所属。
2025年European Conference on Dentistry and Oral Health(パリ)、MENA Congress for Rare Diseases(アブダビ)などにおいて、ランパセラピー学会発表。
プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。
こどもと女性の歯科クリニック
AM8:30〜13:00 PM14:00~18:00(最終受付 17:30)
休診日:金曜・日曜日
〒106-0046 東京都港区元麻布1-4-27-101
TEL:03-6435-2281
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