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ランパセラピーの治療期間はどれくらい?矯正治療の過程と目安について
はじめに
ランパセラピーにて行う治療の詳細をご説明いたします。
矯正相談から資料取りを経て、治療の意思確認をいただきましてから、装置は製作をいたします。実際の矯正治療のスタートは、意思確認のご連絡から2週間~1カ月後が目安となります。
RAMPAの装置に限らず、矯正装置を好んでつけたいお子様はなかなかいません。将来のためにと話しても、その理解も簡単ではありませんね。
しかし親御様からしたら、矯正治療の価値とお子様の将来を思えばこそのご選択と思います。ここは当院と親御様の腕の見せ所と考えてまいりましょう。
ご希望があれば装置のデコレーションも選んでくださいね。クリニックでもお手伝いできます。
RAMPA(ランパ)セラピーとは歯並びが悪くなる原因の根本的な解消を目指し、歯がきれいに生えるような土台に整え直そうという治療になります。
当サイト内では治療に関する記述では「ランパセラピー」、器具・システムに関する記述では「RAMPA」と表記しております。
ランパセラピーについて、まだ知らない方や先に知っておきたい方は下リンクからどうぞ。
※医療サイト「Medical DOC」でのクリニック紹介動画(約7分15秒)になります。動画内では、これからお伝えする下記の内容にも触れております。ご参考にされてください。
RAMPAによる矯正治療
1、口腔内装置にて顎の形を整えます
- 装置:MHE(口腔内装置)
- 期間:約45日間
- 目的:目的は主に2つあります。その一つが矯正装置自体に慣れることです。もう一つの目的として、可能な限りの中で顎の形を整えていきます。
これは他コラムに記載されている「V字(三角形)の顎」を「まぁるい顎」に変化させる工程になりますが、この工程でそのすべてを行うわけではありません。ほとんどのお子様にとって矯正治療は初めての経験です。比較的負担の少ない口腔内装置からまずは慣れていきましょう。
※特段の記載はしておりませんが、正しいお口に整えるためには口まわりの筋力も必要です。その必要性がある場合は、適切な時期にお口のトレーニングも並行して行います。
2、RAMPAによって上顎骨の成長誘導を開始します
- 装置:RAMPA(口腔外フレーム)・ROA(RAMPA用の口腔内装置)・Active Bow(RAMPAとROAを連結する器具)
- 期間:約90日間(口腔内装置は常時装着)
- 注意事項:骨格の成長方向を誘導する目的があるため、毎日の装着時間のお約束をお願いします。
- 6才まで⇒10時間装着×90回
- 7~12才⇒12時間装着×90回
- 13才以上⇒15時間装着×90回
装着時間をお守りいただけた日を1回とカウントしますが、90日を大きく超えた90回ですと効果は著しく減少します。1日の内の装着時間は連続ではなくても大丈夫です。寝ている時間+αでお考えください。
またご都合により装着が難しい日もあるかと思います。装着時間が足りなかった日などは、その前後の日で装着時間の平均を取るなどの工夫も可能です。不安点はご遠慮なくお問い合わせください。
3、RAMPA(2回目)
2と同様の過程をもう一回行います。
- 注意事項:他のRAMPA施術院では2回以上のRAMPAは追加の扱いとなる場合があります。しかし、お子様の将来を考えるならば、当院ではRAMPAの2回目はどうしても必要な過程と考えています。当院ではRAMPA2回までは費用に含まれております。
治療に関して、お子様やご家庭のご負担は小さなものではありません。そのような意味も含めまして、「RAMPA1回じゃ無理なんですか?」とご質問をいただくことがあります。率直に申し上げて、RAMPA1回では満足のいく結果とはならないことがほとんどです。
と言いますよりは1回目終了時点でもまだよくなる余地がある場合が多いです。これは他院なら1回でやってくれるRAMPAが、当院だと2回必要になるとの意味ではありませんのでご注意ください。
それくらい今のこどもたちのお口の状態は深刻である場合が多いです。こどもたちもご家庭も頑張ってくれているんです。可能な限りまでは、「ちゃんと治してあげたい。」そう考えています。ご家庭によってはお約束以上の努力をされ、当院も驚くほどの変化を見せてくれています。
※必ず医師と共有してください。努力と効果は比例するわけでもありません。
さらに進捗によってはRAMPA3回目の必要がある場合があります。こちらは、初期の状態がどの程度か?もしくは個々のご事情などにもよります。3回目以降は追加の装置費用(11万円程度)が発生いたします。
4、歯列を整えます
- 装置:歯列矯正用装置 ※口腔外装置は使用いたしません。
- 期間:約1年~2年
歯の交換期が終わり、歯列が整いましたら矯正治療は終了です。
※保定期間に移行する場合があります。
5、アフターフォロー
当院では矯正治療が終了したとしても、20才まではアフターフォローしてまいります。経過観察のため、3か月から半年に一度程度の通院をお願いします。
矯正治療は終わりかもしれませんが、歯並びを維持するためには生活習慣の改善も必要です。ここを疎かにすると、再度歯並びが乱れる可能性は十分にあります。従来型の矯正治療よりは可能性は低いですが、ランパセラピーだから絶対大丈夫というわけにはいきません。ぜひご家庭の努力が無駄にならないようにお気を付けください。
今まで特に問題がなかったのに、ここ数年のマスク生活で歯並びが悪くなってしまう方が大変増えました。骨格から整えたとしても、あり得ることなのだとぜひ頭の片隅に。
子供矯正でかかった期間(全矯正)
まとめ
期間に関しては、あくまで適齢期かつ経過が順調な場合を想定しています。またRAMPAを取り扱う医院ごとの考えにより異なる部分もございます。
多くのお子様には矯正治療は初めての経験となります。お子様の気持ちや装置への慣れなど、治療の軌道に乗るまではお時間がかかることも多いですので、焦らずに余裕をもってのご理解をお願いします。
また矯正開始時のお口の状態や進捗によっても、期間は変動いたしますのでこちらもご了承ください。
年齢によっては永久歯が生えてくるまで待つ期間が発生する場合があります。その際は、拡げた顎が後戻りしないように保定的に装置を装着いたします。このような理由から矯正治療の期間としては長期になってしまうこともございます。
矯正治療期間を通してのお願いではございますが、期間中は装置の調整のため2週間に1度程度の通院が必要になります。
また装置の付け始めや装置の交換時など、痛みや違和感を感じる場合があります。そのような場合は無理をせず、ご相談をお願いいたします。
ご注意事項はお伝えさせていただきますが、「がんばろう!」だけではそれこそ大変です。
変わるであろう未来を楽しみに、変わっていく今を楽しく進んでまいりましょう。
こどもの矯正とRAMPA(ランパ)セラピーの5つのポイント
- 1 舌が正しい位置に付かなくなってくるのは、主に赤ちゃん時代からの様々な生活習慣の積み重ね。特に近年は赤ちゃんの首周りの筋緊張による影響が大きい。
- 2 歯並びの問題も含め、最重要ポイントになるのが「舌が正しい位置(上顎につく位置)にあること」、もしくは「きちんとした鼻呼吸が出来ること」
- 3 ある程度の年齢に達し日常化したこどもの口呼吸を鼻呼吸に変えるには、すでに骨格的なアプローチが必要な段階になっている場合が多い。
- 4 呼吸と歯並びの問題は密接な関係にあることの理解が必要。ランパセラピーの視点から見れば歯列の矯正だけで完結する問題は決して多くはない。
- 5 矯正治療でまず考えるべき目的は「歯並びを整える」なのか?「歯がきれいに生え揃うお口に整える」なのか?
当院では必要のない治療をおすすめすることはありません。
当院・他院に限らず、ホームページ等で記載がされている、「〇〇の原因」や「〇〇を改善するためには?」などは最終的に一つの答えに収束するものではありません。クリニックごとの考えの優先度・重要度などにより記載が異なってまいります。実際には患者様それぞれに答えはいくつもございます。
どの治療、どのクリニックを選ばれるかは矯正治療の入り口であり、最も大切なことです。ご選択にあたり、ご家庭の負担は大きいところと存じますが、お子様の将来に関わることとして今ひと時のリサーチをお願いいたします。その結果による「矯正治療に対するご判断」がご家庭ごとの答えと存じます。当院から精一杯お伝えさせていただくならば「ランパセラピーが必要」と感じられるお子様は少なくございません。
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この記事を監修した人
こどもと女性の歯科クリニック
院長 岡井有子
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経て、大阪歯科大学に入学。同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を学ぶ。2017年、港区に「こどもと女性の歯科クリニック」開院。プライベートでは2児の母として忙しい毎日を送っている。
こどもと女性の歯科クリニック
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